悩む
ゼラ達が帰った。
店の中では相変わらず遠慮なしの注文の量で笑い話やナルベア達エルフの容姿の話だったりゼラが更に出世したと言う話も流れる。
「しっかし彼は凄いな。」
「そうね。ランクSはもう秒読みで帝国の第二の帝王とまで言われエルフの英雄。」
帝王の証明として現帝王のルーガリ本人がゼラの事を過大評価しており自分がいなくなってもが引き継いでくれると大々的に民に発表した後に各国にも文を送っている。
ただゼラ自身は帝王の職に全く就く気は無く相談を受けたり提案こそするが仕事は全てルーガリに丸投げしている。
ただ新しい法や仕事方法の基礎はゼラが提案しルーガリが修正を加えたと公表して成功をしているので民の評価もかなり高い。
家臣達の8割はゼラはルーガリと並ぶ信頼に値する王と思ってくれている。
理由は帝王であるルーガリと大将軍であるバンダルオが家臣全員に説得をした。
更にゼラ本人は集まって認める時に、
「他人に頼まれて得た評価はいらんな。やった事で評価したら?。俺ならそうする。」
ルーガリとバンダルオがこの言葉に盛大に笑い家臣達もこの後に農業の改革や下水道の発展、大型兵器の提案など様々な事をルーガリに言って国の食料問題、防衛力、民の信頼獲得に大きな貢献をし信頼を得る。
そして個の力も認められ第二の帝王として民にも家臣達にも認められた。
「・・・。私は一体いつになったらゼラ様の横に並べるかな・・・。」
セリアナはゼラの為に接待を極めた。
才能があり上達し父母共に教えることがないぐらい、王専属にしても問題ないぐらい完璧。
しかしゼラと比べるとちっぽけでシス達、そしてナルベア達の容姿の美しさや可愛さ、新しいファンションのセンスの良さ、自分と比べると自分の方が少し劣る程度。しかし彼女達もまた実力者であり接待能力も高い事も察した。
「そうね。数ヶ月でSランク、本物の王、英雄っと成し遂げたゼラ君は凄いわね。でもセリアナ。ゼラ君の事それだけで諦められるの?。私は構わないけど後悔だけはしないようにね。」
「何。まだセリアナには料理を教えてないからな。良いか。男ってのはな胃袋を掴まれれば落ちるんだ。俺が母さんに惚れた理由はそうだったからな。」
「・・・。うん。まだやれる事はあるよね・・・。手始めに料理から始めるよ。」
「好い顔だ。じゃ手始めに切り方から始めようか。」
何事も無くゼラ達は家に到着する。
「ただいまぁ~。」
そう言って門を開けるとシルヴィアが出迎えてくれる。
「悪いな。美味しい肉買ってきたから中で食べよう。」
頭を撫で家のドアを開ける。
「あ。僕がしておきますよ?」
スィーナがすっと出てきて言うが、
「たまには譲ってくれ。」
「・・・はい・・・。」
しょんぼりする。
中に入りリビングでシルヴィアの為に焼いてもらった肉を大皿に盛り付けシルヴィアの前に置く。
「どうぞ。」
シルヴィアは匂いを嗅いだ後一口食べる。
その後物凄い勢いで肉を数分で平らげてしまう。
「こりゃもっと必要だったか?。」
「ううん。シルヴィアは満足してる。有難うございますだって。」
スィーナがそう通訳してシルヴィアはゼラの前に座り頭を下げる。
「気にするな。これからも宜しくな。」
頭を撫でると気持ち良さそうに目を細める。
それからリビングで皆でお茶を飲みながらゆっくりと時間を過ごす。
ソファーに座ったゼラの膝に向かい合ってシスが座り左右にアウラとスィーナが座ってもたれ掛かりシルヴィアはその横で寝ていてナルベア達はお風呂の準備をしている。
「はい。あーん。」
「ん。これは・・・。アウラが作ったやつか。」
「よく分かりますね。今日のこのクッキーは私が作りました。」
「神眼?。」
「違うぞ。そもそも味が微妙に違うんだ。シスのを基準にするとアウラのは甘さが控えめでサクサク、スィーナのは甘さが強めでしっとり。んでナルベアは隠し味に柑橘類の皮の砂糖漬け、リナはプレーンよりジャムや果実を入れた物が多くけどプレーンの特徴はどのクッキーよりもクリスピー感が強い、ルビニアはプレーンはもうここ最近出てこない上に予想外の物を入れてるから凄いわかりやすい。」
「そこまで分かっていらっしゃるんですね。」
「凄いです。」
「流石・・・。」
お風呂の準備の清掃と湯張りを終え戻ってくる三人。
「おう。すまんな。」
「気にしないでください。私達の仕事は本当に少ないぐらいなんですから。」
「そうです。本当なら全ての家事は私達がするべきなんですよ?。」
「それは駄目。料理の勉強できなくなる。」
「そうです。それに掃除の技術を磨く為に当番制にしてるんです。」
「そうだよ。僕達はだらける気は無いよ。」
「俺はだらけたい。」
「「「「「「どうぞだらけていてください。」」」」」」
全員揃って言い返す。
「そう全員に言われるとなんか仕事しないといけない気がする・・・。」
「駄目。マスターが掃除や料理すると勉強にならない。」
「そうです。なんですかあの掃除のやり方。」
「え?。部屋内の床や棚に棚の奥のゴミを全てを重力で操って集めてゴミ箱に入れれば終了。」
「普通はですねゼラ様みたいに湯水のように魔力使えないです。今の私でもその方法では今の家の半分しかやれないですよ。」
「まぁ来る前は俺が掃除全部してたから仕方ないよね。さて一番風呂はもらおうかな。」
「私も一緒。」
「はいはい。じゃお先に。」
シスを抱っこしそのまま風呂へと向かう。
「ごゆっくり。」
「シルヴィア。ブラッシングしてあげる。」
「リニ、ルビニア。今の間に仕込みを終わらせますよ。」
「「はい。」」
それぞれ思うことをやり始める。
「あぁ・・・。生き返るわ・・・。」
「ん。気持ちいい。」
脱衣所で服を脱いだ後身体を洗い終え湯船に浸かる。
シスはゼラに完全に密着しゼラは軽く抱きしめその腕を握ってている。
「マスター。」
「ん?。」
「ご褒美の件。」
「おう。いいぞ。んで何だ?。」
ご褒美をと考えていたが結局帝国の後始末や魔大陸との貿易等で暇が一切なかったので暇になってから報告する事となった。
それもそれぞれのお願いを聞くと。
「子種。」
ゼラが予想外過ぎて理解が追いつかなくなり固まる。
「私考えた。そして子種の意味やどうなるか調べた。だからもっと欲しくなった。」
「・・・。はぁ・・・。まぁそうか・・・。うん・・・。でもそれは無しだ。」
「・・・なんで?。」
シスは少し泣きそうになりながら振返りゼラの顔を見つめる。
「それを許可したら全員にあげないといけない。」
「いいと思う。マスターの愛の結晶をプレゼント。」
「いやいやいやいや。シスだって嫌でしょ?。俺が他の子とされるの。」
「アウラ、スィーナは問題ない。ナルベア達も大丈夫。私が嫌う子はいない。」
「そうか・・・。」
「それにそうなった場合は私が一番って決まってる。」
「あ・・・。はい・・・。でも・・・。ぇ・・・。」
「一夫多妻が基本だよ?。」
「そうだが・・・。」
「しかもお嫁さんになる条件はまずマスターが好きな事は勿論、私達全員の許可が必要。」
「そこまで話し合ってんのかよ・・・。」
「うん。既にアリシアとも話し合いが済んでて後はマスターの気持ち次第。でも私は皆と仲良くマスターと一緒にずっと生きたい。」
「・・・。明日まで時間をくれ。」
「ううん。気にしてない。じゃ私は先に寝る。」
そう言って風呂を出て行く。
「はぁ・・・。」
顔に手を当て上を見る。
(シス達は反対してないのか・・・。してくれれば楽だったんだが・・・。はぁ・・・。)
ゼラはそう思いつつ悩む。
前の世界と違い一夫多妻はこの世界では実力がある者の義務で最低でも2人は嫁をとる必要がある。
理由は優秀な子孫を数多く残す為。
前の世界と違いこの世界の人の減少は凄まじい。
戦争、魔物等の被害に疫病や貧困など様々な原因はある。
平均寿命は40前後。
魔術があるが限度が有る為に完全に後遺症無しの治療ができるのは現在はゼラ。
「もう思い切って嫁さんは基本認める方向にでもするか?。」
それから風呂から出たのは1時間後であった。
なおゼラが風呂入っている間にシスが全員に朗報として話をしていた。




