夕食
時刻は既に夕暮れ。
エルフが珍しいのかそれとも服装が珍しいのか人々の注目を浴び続け歩き、最初に入りお気に入りの飲食店に入る。
中ではセリアナがテーブルを吹いていたがこちらを向く。
そしてすぐに笑顔になり駆け寄ってくる。
「お帰りなさい!!。」
「ああ。ただいま。とりあえず8人だけど大丈夫?。」
「はい!!。こちらへ。」
セリアナは前に通っていた時より明るい笑顔が絶えず案内をしてくれていつもの場所とは違い更に奥の個室へ案内された。
「へー。改装したのか。」
「はい。ゼラ様が遠征中に一つ部屋を作り、そこをゼラ様方専用の個室となってます。人数は最大10名まで可能です。」
案内された部屋は大きな丸いテーブルに椅子が10個並べてある。
清潔で暖かい感じの室内。
「へ?。俺達専用なの?。」
そしてゼラが座るとその横にシスとアウラが座りスィーナがシスの横へ座った後はナルベア達も空いた席へ座っていく。
「はい。この店で一番のお客様ですから。」
「そっか。じゃ今日も頼むよ。」
「分かりました。飲み物はいつもので構いませんか?。」
「あ。ナルベア達はどうする?。」
「私はゼラ様と一緒で構いませんよ。」
「私もそれで問題ないです。」
「お酒無理・・・。」
「じゃいつものボトルといつものジュースを。ボトルは追加で2つお願い。」
「すぐにご用意させてもらいます。料理の方はいつもと同じで?。」
「ああ。お願いするよ。」
「はい。ではごゆっくり。」
その後はすぐに飲み物が運ばれてきて前菜のサラダが並べられた。
「早いですね。」
「うん。セリアナさんの容量の良さ凄いね。」
「一杯持ってる・・・。けど一切こぼさない上に飲み物が揺れてない・・・。手馴れてる・・・。」
「お父様。私は食べれませんが・・・。」
「そうだよなぁ・・・。まぁ居てくれると俺は嬉しい。」
「ん・・・。メディアは家族・・・。食卓は家族皆で囲むもの・・・。それにあの子の技を盗むのも仕事・・・。」
「はい。分かりました。」
セリアナの仕事を観察する四人。
セリアナはそれに気付きはしたが特に理由も無いのでスルーし自分の仕事をしていく。
「もぐもぐ・・・。」
「あ~・・・。美味しいですね・・・。」
「うん。やっぱりここの料理は美味しいよね。」
凄い勢いで綺麗で幸せそうに食べる三人。
「・・・。シス様達の食欲は凄いのは知ってましたが・・・。」
「ここまで来ると胃袋はもはや常人とは別次元だよね。」
「私も食べる・・・。ん・・・。美味しい・・・。」
「あの速度で食べつつゼラ様にも分配してるのを見ると凄いですよね・・・。」
「お待たせいたしました。次はメインの料理になります。」
そう言ってセリアナはサラダの空になったお皿を素早く回収しメイン料理を並べていく。
「お肉!!。」
「私はこのムニエルを。」
「もぐもぐ・・・。おいしい・・・。」
「あ。ゼ・・・「ゼラ様。」
「おう。」
「・・・。どんまい・・・。」
ナルベアがお酒を注ごうと思い呼びかけようとしたがとこからか現れたセリアナがグラスに注ぐ。
「ありがとう。」
「いえ。ではごゆっくり。」
四人はセリアナの常人とは思えない行動力に驚きを隠せていない。
「あの子どこから現れたのでしょうか・・・。」
「いきなり音もさせず現れるなんて・・・。戦いの場なら間違いなく最強クラスですね・・・。」
「・・・。暗殺者・・・?。」
「ですがそんな感じは一切しませんが・・・。」
「ん?。セリアナが気になるか?。」
四人はゼラの問いかけに頷く。
「あの子はここの娘さんで職はノービス。ただスキルに給仕っというのを最初会ったときは3でアリシアの村に向かう前は5だったんだが今は10っと最大まで上げきってるんだよね・・・。んでスキルの効果で自分で対象の一人を選びその人に究極の接待が出来るとしか説明が無いが効果は見ての通り。この場合俺に対してグラスが空になれば注いでくれて、手拭きが欲しいと思ったらすぐ持ってきて、そろそろ次の料理をと思ったら片付けすぐに次の料理を並べてくれる。言わなくても分かってくれる能力だな。もはや常識が通用しないのがこの最大レベルの給仕の効果だ。」
グラスに入っているお酒をまた口に運ぶ。
「戦闘スキルじゃなくてもとんでもないスキルってあるんですね・・・。」
「まぁ探せばまだあるんじゃないかな。うん・・・。」
その後はいつも以上に食べるシス達にナルベア達が驚きながらも食事が続く。
いつもであれば全てのメニューで終えるが今回は限界まで食べてもいいと許可をしているので食べに食べる三人。
その結果、
「すいません・・・。ゼラ様・・・。一部の食材が無くなりました・・・。」
「そうか・・・。」
全メニューを三週した結果、肉はまだまだ残ってはいるが野菜が全て全滅しシス達の胃袋の中に入っている。
「お肉でしたらご用意できますがいかがでしょうか?。」
「じゃ全部焼いて。お願い。あむ・・・。もぐもぐ・・・。」
「私はもうお腹はぽんぽんです。」
「僕も満足したよ。」
アウラとスィーナはお腹が膨れ上がって満足そうに微笑んでいる。
シスは二人と同等の量を食べても体型が変わっていない。
「・・・よろしいのですか?。」
驚き少し止まってしまう。
「うん。」
「分かりました。残りの合計約20kgの肉を焼かせてもらいます。」
「すまないがそれぞれの部位全ての盛り合わせで大体5kgは持ち帰りでお願い出来る?。」
「あ。はい。分かりました。会計後にお渡しでよろしいでしょうか?。」
「ああ。」
「ではお待ちください。」
セリアナは不思議そうにしながらも部屋を出て行く。
「シルヴィアの分?。」
「ああ。っというかまだ入るのか?。」
「ん。余裕。」
「そうか。まぁ残さないようにな。」
その後苦しそうな顔をするどころか肉を手を止めず幸せそうに食べ続ける。
「シス様もそうですが・・・。ゼラ様も大概おかしいですよね・・・。そのお酒の量・・・。」
あれからボトルを追加で10本、リットルにして約7.5リットルを飲んでいる。
「ん?。まぁ好きだからな。いくらでも飲める。」
「ゼラ様のお酒の強さはドワーフ並ですね・・・。」
リニが苦笑いしながらも状況を楽しんでいる。
「・・・うみゃ・・・。」
「すゃぁ・・・。」
「すぅ・・・。」
ルビニアはメディアに抱き抱えられながら、アウラとスィーナは互いに椅子を寄せて寄り添い寝ている。
「良い笑顔で寝るな。酒がすすむ。」
「もう。飲みすぎですよ。」
ナルベアは苦笑いする。
「大丈夫だ。これで最後にするから。」
そう言って最後のボトルを入れ終わる。
「今思いましたが・・・。料金とんでもないことになってませんか?。」
ナルベアが思い返す。
お酒がボトルで12本、ジュースが全員分合わせて30杯。
全メニュー三週と店にある全ての肉。
「そうだな合計金額的にお酒抜いて100枚だろうね。」
「・・・。あの・・・。金貨100枚って人間の平民なら贅沢しても5年は暮らせますよ・・・。」
「まぁ俺が持ってたところでのお金だ。魔大陸にも基礎に必要な道具は全てと育てられる苗や種を大量に送ったから来年には援助は不要になるだろうし。何か立ち上げるのもありか。考えておこ。
「何か立ち上げるのですか?。」
「っま。まだ何も考えてないけどな。後々って事で。」
「んく・・・。御馳走様でした。」
手を合わせ完食する。
「ほへ・・・。いつも以上の食欲でしたね・・・。」
隣にはセリアナが驚きながらも嬉しそうにする。
「デザートは?。」
「ありませんよ・・・。っというか素材が本当に全くないんです。今日の営業は終了です。」
「残念。」
「シス・・・。まだ入るのか・・・。」
「うん。」
その後会計を頼み合計金額は130枚。
ゼラはカードを渡すついでに、
「セリアナ。」
「はい?。」
「これ返すよ。」
それはセリアナが渡してくれたミスリルのお守り。
「いえ。それはゼラ様に差し上げた物です。」
「じゃ俺からのお守りのお返しとして受け取ってくれ。」
「・・・。はぁ・・・。分かりました。うけ・・・とり?。」
受け取った時にセリアナはペンダントに違和感を覚える。
「これ本当に私が渡した物なんでしょうか?。」
「ああ。俺が新しく見た目は前のまま性能を強化したもの。それを装備すれば生産系のアイテムが良くなるようになるぞ。」
「・・・。本当に貰っても?。」
「ああ。そうだな。納得できないならセリアナの料理が食べたいな次。」
「ふふ。分かりました。味に納得したら・・・。では会計を済ませてきます。」




