有名な覇王
用意を終えいつものパーカーを着てアイテムボックスを持ち庭で待つ。
庭には芝生で寝ている中型犬サイズのシルヴィアがいたので近付きアイテムボックスからブラッシング用のブラシ出した。
シルヴィアはゼラに気付き自ら近付いてきた。
「悪いな。起こしたか。」
シルヴィアは首を横に振った。
「そうか。とりあえずブラッシングしようか?。」
シルヴィアは直ぐに伏せた。
そしてブラッシングを開始するとシルヴィアは目を細め気持ち良さそうにし身を任せる。
10分後。
ブラッシングを終え庭にある椅子に座り何かの本を読み出すゼラ。
シルヴィアも横に移動しそこで伏せている。
「・・・。」
更に10分経過する。
「マスター。」
「ん?。準備出来たみたいだな。」
シスとアウラとスィーナは私服でナルベア達はメイド服で出てきた。
「あー!!。主様!!。勝手にシルヴィアにブラッシングしたな!!。僕がしたかったのに・・・。」
「いいじゃないか。たまには俺がやっても。」
「主様がやる仕事じゃないよ・・・。僕の仕事だよ・・・。」
「まぁまぁ。それよりお買い物ですよね?。」
「そうだな。ナルベア達とメディアの私服でも揃えるのと新しい服や下着ももう何着かいるだろ?。」
「いいのですか?。お父様。」
「え?。」
「・・・。私達の私服・・・?。」
「私達は別に大丈夫ですよ?。」
「駄目駄目。それは俺に仕えている時の服で私服でもその格好はオンオフが出来てない証拠。なのでこれは主人命令です。ってなわけでセジャの店行くぞ。シルヴィアは家の警備頼むな。土産に肉買ってくる。」
ワンっと鳴き立ち上がり全員を見送る。
道中凄い注目を浴び、
「おいあれ・・・。エルフか・・・?。」
「奴隷って訳じゃなさそうだな・・・。」
「おい。お前ら知らないのか?。覇王がエルフの村と帝国を手に収めたのを。」
「え?。ってことはあの男子が覇王なのか・・・。エルフのメイドを連れてるって凄いな・・・。」
「やっぱ実力者ってのは見かけだけじゃわからないもんだな・・・。」
「あの子久しぶりに見たけど覇王様だったのね・・・。」
「可愛いのにえぐい事をするのね・・・。見かけによらず・・・。」
「ええ・・・。何でも帝国の大軍をたった4人で殲滅したらいいのよ・・・。怖いわね・・・。」
「でもそんなに威張ってない感じは私は好きかな・・・。」
「いやいや。案外威張ってるかもよ・・・。」
とヒソヒソと話をする人達。
「凄い注目浴びてるなぁ~。」
「それだけゼラ様がやった事は偉大なんです。誇らしいです。」
「ん・・・。もっとゼラ様の凄いって事広める・・・。」
「そんな事しなくていいから・・・。」
「正直私達の事はあまり知らなさそうですね。」
「そらそうだろ。噂ってのはそんなもんだ。」
そしてサスペガンの前に着く。
高級な馬車が目の前に止まっているのが見えた。
(うわ・・・。面倒なことになりそう・・・。)
そう思いつつも店の中に入ると、
「これはゼラ様。お帰りになられましたか。」
「久しぶり。」
「ほう。今日はエルフのお嬢様方の私服ですね。」
「あまり動揺が無いってとこを見ると情報はもう届いてるんだな。」
「ええ。エルフの英雄。帝国の裏の王。魔大陸の王と。」
「早いなぁ~。まぁ流石。しかし魔大陸の事までもう集めてるって良いつてを持ってるみたいだな。」
「ふふ。貴方とは良きパートナーとして対応させてもらう為です。よろしければ今度欲しい情報があれば仕入れますよ?。」
「お。まじで?。」
「はい。ゼラ様には今後もよろしくお願いしたいのです。っと話が逸れてしまいましたね。」
「いや構わない。とりあえず。ナルベア、リニ、ルビニア、メディア。挨拶。」
そう言うとゼラの前に立ち。
「初めまして。メイド長のナルベアと申します。」
「リニです。」
「ナルベア・・・。よろしく・・・。」
「メディアと申します。」
「はい。私はセジャスティ。セジャとお呼び下さい。」
そして軽く手を三回叩くと、
「お久しぶりです。ゼラ様。」
アビナがどこからか現れる。
「久しぶり。今日はこの4人を頼む。」
「凄いですね。エルフ族ですか。私は見るの初めてでして・・・。メディア様も可愛らしいですね。・・・お任せ下さい。」
「ああ。じゃシス達もついて行って欲しい服があれば買ってもいいよ。俺は自分の服をまた見るから。」
アビナに全員がついて行った後、
「では今日はどのような服を?。」
「まぁ適当に見ていこうかなっと。」
「では案内させてもらいます。」
セジャの後について行く。
「今日はあれな客がいるのか?。」
ゼラがどストレートに聞く。
「よくお分かりで・・・。あまりゼラ様に迷惑をっと申します・・・。」
セジャは少し困り顔をする。
「まぁ突っかかってくるならぶっ飛ばすが。」
「そうなってしまっては相手が可愛そうですので。ゼラ様でしたら簡単に相手を潰せますでしょうし。」
苦笑いをしながら説明をする。
「一応他国の最上位貴族の方でして何かとワガママで自己中心的な思考な為あっちこっちで問題を起こしているそうです。魔術の腕はアウラ様やスィーナ様には劣るでしょうが一応トップクラスですので。」
「ふ~ん。まぁ俺は興味が無いかな。お。これ試着してもいい?。」
手にしたのは黒い薄生地のジャケット。
「ほう。流石はゼラ様です。真っ先にそれを手にしましたね。これは今週から売り始めたジャケットで春から秋に着れるよう考えた物です。触り心地は勿論、着心地を良くする為に湿気を逃がす技術が施された最高品質のジャケットとなります。デザインはシンプルながらも格好良く仕上がっています。」
「色と数は?。」
「黒2。白1。蒼1になります。」
「じゃ全部一着もらう。」
「ありがとうございます。合わせる中の服はどうなさいますか?。」
「ん~。白は確定としてそれ以外だと何がいい?。」
「そうですね・・・。こちらの赤色と蒼と白の縞模様でいかがでしょうか?。」
「んじゃ試着するよ。」
そして試着室に入り着替え終える。
着たのは蒼のジャケットに縞模様のTシャツ。
「やはり似合いますね。」
「そうか?。そうだ。後ズボンだな。」
「そう言うと思いましてこちらのワイドパンツとデニムパンツにショートパンツをお持ちしました。」
「ふむ・・・。じゃショート着てみるか。」
と受け取り直ぐに着替える。
「っほっほ。流石です。ここまで着こなす。流石ゼラ様です。」
「褒めても何も出ないぞ。とりあえず全部貰うよ。」
「ありがとうございます。その服はそのままで?。」
「ああ。とりあえずこれで。」
カードを渡す。
「分かりました。ではこちらに。」
案内されたのは前来た時に通された部屋。
「直ぐに会計を済ませますのでお待ち下さい。」
そう言って出て行くセジャ。
「・・・。本でも読も・・・。」
そう言ってアイテムボックスから本を出し読書を始める。
しかしセジャが10分経っても帰ってこない。
「ん~。遅いな。様子見に行くか。」
本を戻し部屋から出ると、
「何故私に売れないのですかね?。」
「ですからこれはもう買い手が決まっております・・・。」
(あ~ギザ夫だ・・・。)
出てすぐにセジャと背の高い金髪のイケメンが言い争いをしている。
「僕が誰か知ってて言っているのかな?。」
「ええ。アスト・ジ・ジャスティン様と知っております。ですが既にこれは会計が終わった商品です。」
「その客と合わせたまえ。直接言って譲ってもらおう。」
(確かにこりゃ面倒だわ・・・。)
セジャが気付きアイコンタクトで部屋に戻るように訴える。
それに気が付いたアストがゼラの方を向く。
「ほう。君が客かな?。」
「そうだが何か?。」
「いや。これを譲ってもらいたくてね。」
セジャが持っている袋を指差す。
「え~。やだ。」
「そうかい。じゃ少し痛い目にあってもらおうか!!。」
杖を出し魔術を発動しようとするが、
「・・・で?。」
「・・・っは?。」
「これは・・・。」
魔術は発動せず何も起こらない。
「な・・・何故だ!!。」
「何ででしょうね?。っで?。」
ゆっくりと近付いて行く。
「ええい。魔術が使えなくとも!!。」
殴りかかってくる。
ゼラは避けずそのまま近付いて行く。
そこにシスが間に入りアストの頭を掴みそのまま地面に叩きつける。
ゼラは立ち止まりその光景を見る。
「ぐぉ・・・。」
地面に小さなクレーターが出来上がる。
「シス・・・。」
少し複雑な顔をするゼラ。
アストがやられたのは気分がいいが店の床を壊してしまったので少し罪悪感を感じる。
「ゴミ。何してる?。」
顔を持ち上げ不機嫌なオーラ丸出しにし無表情で聞く。
鼻からは血が出て前歯も数本折れている。
「シス様!!。急に!?。」
「これはこれは・・・。」
「・・・。流石シス様・・・。」
「私もあれぐらい動けるようにならなくては・・・。」
「そんな場面じゃないよね?。」
「リニ。シス様が怒ってらっしゃるんです。当然の結果かと。」
後で来た6人も現状をすぐに理解した。
「・・・。ごほ・・・。きじゃま・・・。なにをす・・・っが・・・。」
また叩きつけられる。
「調子に乗るなよゴミ。私は見てた。お前がマスターに殴りかかったのを。」
「はいはい。そこまでにしといてやれ。」
「・・・でも。」
「怒ってくれるのは嬉しいがセジャに迷惑だろ。」
アストを放しセジャの方を向き。
「・・・。ごめんなさい・・・。」
礼をし謝る。
「お前もその性格は直しておけ。じゃないと・・・俺がお前を殺したくなってしまう・・・。」
魔力が膨れ上がり威圧をかけるとアストは震えながら頷く。
「よろしい。じゃ治してやる。」
一瞬で全ての傷が治る。
「本当にすいませんでした・・・。以降絶対にこんな事を致しません・・・。」
土下座をし謝ってくる。
「思い上がるなよ小僧。自分が強いからってそんな事ばっかりしたからこうゆう痛い目にあうんだぞ。」
「小僧・・・。失礼ですが・・・年齢は・・・。」
「23だ。」
「23・・・。私より5つ上・・・。」
「まぁ良くてお前と同い年。大抵は年下に見られる。これからは外見だけで勝てる勝てないを決めるなよ。」
「はい・・・。」
「じゃもう文句はないな?。」
「ありません・・・。」
「本当?。後で何かしたら今度は頭を潰す。」
真顔でとんでもない威圧を出すシス。
「っひ!?。」
ビクビクっと震え上がるアスト。
「こらこら。」
「ん・・・。」
シスを引き寄せ抱き、頭を撫でる。
「もしかして・・・。静謐姫様と覇王様ですか?。」
「お。よく答えを出したな。」
「・・・。」
アストは絶句し止まる。
「っほっほ。この方達に喧嘩売って生きているとは。」
「知っているなら教えてくれ・・・。」
「さっきまでのアスト様でしたら素直に受け止めるはずがないと思い避けさせてもらったんですが。どうやら会ってもらった方良かったようですね。」
「今貴族の間では絶対に敵対するなと言われている人物ですよ・・・。帝国軍を僅かの数で覆し勝利を勝ち取った実力者。まさかこんなに小柄だとは思いませんでしたが・・・。」
「お前さっきまでの態度と全く違うな。」
「当たり前でしょう・・・。私と貴方様では実力差があり過ぎます・・・。」
「別に砕けてくれて良いぞ。」
「・・・。分かった。」
「よろしい。」
「ふみゅ・・・。」
この間もなで続けた結果シスはトロトロになっていた。
「あ。すまん。」
「あ・・・。」
咄嗟に放した。
シスはゼラの方を向き不機嫌になる。
「っむ・・・。」
「十分だろ。ずっと続ける事は出来ないんだから。」
「帰ったら。」
「はいはい。」
「噂通りか・・・。」
アストは立ち上がる。
「何が?。」
「覇王は一回目は許してくれる。静謐姫、人魚姫、舞姫は覇王が止めないと一回目すらなく徹底的に潰す。」
「この子達は基本俺が傷つくと物凄い怒るのよ・・・。治せるのに・・・。」
「聞いていた実力以上とも思った。一体どこで何をしていたのか、なぜ今まで噂にならなかったのか不思議で仕方ないが。」
「気にすると近い将来ハゲるぞ。」
「それは困るな・・・。」
「しっかし・・・。」
ナルベア達の方を向きジロジロと見始める。
ナルベアは爽やかな空の色より薄くした青緑色のワンピースドレス。
リニは水色と蒼色の縞模様のトップスに明るめのデニムタイトスカート。
メディアが黒色のトップスに茜色のミニスカート。
ルビニアは白いブラウスに藍色のスカーチョでブラウスは中に入れてベレー帽と伊達メガネまで装着している。
「あの・・・ルビニアさん・・・。」
「・・・?。」
「その格好は?。」
「凄いですよゼラ様!!。ルビニア様のファッションセンス!!。知的で可愛いファッション・・・。なんと言いましょうか・・・。」
「文学少女ファッション・・・。」
「!!。それです!!。これは売れますよ!!。」
アビナはテンションが上がりすぎておかしくなっている。
「てかそれ選んだのルビニアか・・・。」
「ん・・・。自分に似合いそうな服とアクセサリーを計算しながら選んだ結果・・・。」
「うん・・・。まさかそんな格好をするとは思わなかったよ・・・。似合ってるよ・・・。」
表情には全く出てはいないが喜んでいるルビニア。
「その服装はルビニア様に本当に良く似合っています。正直別人です。」
「そうですね。私達とは違い背が小さいので可愛い服かと思いましたがまさかそこに知的を入れてくるのは予想外です。」
「お姉ちゃんとして凄く鼻が高いよ。流石だよ。」
「私もあの格好してみても?。」
「まぁやってみればいいんじゃないかな?。」
「私も着る。」
そう言ってルビニアの監督し全員が文学少女風の服装を着てくるがメガネはつけていない。
アストは出てくる前にお先に失礼っと帰っていった。
「本当に女子って服装で雰囲気変わるよな。全員大人しいそうな綺麗な女子だな。」
「っほっほ。素晴らしい事です。っでですゼラ様。」
「雇うなら時間は俺が用事がない場合でルビニアが良いって言ったらいいぞ。」
「流石です。ありがとうございます。」
とルビニアの方へ歩いていくセジャ。
話し合いの結果意見は出すが雇われる気は無く新しい服を出した時だけ少し見て意見をするという事に落ち着いた。
そして会計を終え外まで見送りをしてくれるセジャとアビナ。
「しかし・・・。こんな値引きして大丈夫か?。」
本来の金額は金貨500枚。
そして値引き後の値段は金貨200枚
「ええ。その服装をお出かけの際着ていただければ良い宣伝になります。私の予想では今年中に上級貴族のお嬢様方に流行ると見ておりますのでそのぐらいの値引きは問題ありません。」
「ええ。今までで一番の売上が見込めるファッションです!!。私が保証致します!!。」
「分かった。それじゃまた買いに来るよ。」
二人はゼラ達が見えなくなるまで礼をしていた。
「しっかしベレー帽は分かるが伊達メガネまで揃えてたんだなあっこ・・・。」
「なんでもある・・・。あそこは面白い・・・。」
ルビニアがゼラの横に並び歩いている。
「暇な時間が出来たら行ってやれ。お前のその才は良いもんだ。もっと磨くといい。」
「ん・・・。暇だったら行く・・・。」
ゼラはルビニアの頭のベレー帽を取り頭を撫でる。
少し頬が紅くなっている。
そしてゼラは後ろの方を向くと、
「これ6本ください。」
「あ・・・。ああ・・・。銀貨2枚だ・・・。」
「あ。私も1本それください。」
「僕は3本頂戴。」
「本当に自由ですね。」
「今に始まった事ではないのでは?。」
店員はシス達の魅力にガッチガチに緊張している。
バルバッファロー串焼きを買っていた。
シスは渡された串が入った容器を受け取りゼラの方へ駆け寄ってくる。
「はい。マスター。」
「ありがとう。」
一本受け取り一口食べる。
「・・・。」
「ほら。服を汚さないようにな。」
ゼラの方を一瞬向き伺った後一口食べる。
「美味しい・・・。」
「だろ?。」
「マスター。私も。」
「はいはい。」
その後次々と要求されたので食べさせていく。
その光景を見ていた男達の視線はどこか悪意を感じたがゼラは全く気にせず視線がする方に笑顔で返すのであった。




