表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奇跡の胎動  作者: めい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/86

13-5


葵は役所で自分の戸籍を確認した。

母・瑞稀の欄はあったが、父の欄には何も記されていなかった。

日常生活で父について聞いたことがない理由が、ここでひとつ、はっきりと理解できた。


「…父、いないんだ」


胸の奥がざわつく。幼い頃から漠然と感じていた「普通であること」と、母が父について語らない理由。

その違和感が、今、確かな形を持って胸に浮かび上がる。


葵は家に戻り、昔の写真や母の日記、古い手紙などを整理してみる。

父に関する情報はもちろん見つからない。けれど、幼い頃に母と過ごした記録や場所、出かけた日付など、些細な記録が残されていた。


「母は、どうして話してくれないんだろう…」


健太にも再度尋ねてみる。


「健太、昔のこと覚えてない? 私の父のこととか…」


健太は首を振る。


「ごめん…あんまり覚えてないな」


健太は葵の母が白石家から出た理由を知っていたが、健太にはそれしか言えなかった。



父がいないという現実と、母の口を閉ざす態度。

それでも葵は諦めず、資料の断片をつなぎ合わせながら、母の思いや自分の存在の意味を考え続ける。


幼い頃から漠然と抱えていた違和感が、今、探求心として確かな形になり、葵の胸を突き動かしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ