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奇跡の胎動  作者: めい


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11-1


「未来の光」の活動が全国へ広がり、制度化への期待が高まっていたある日。

新聞の一面に、大きな見出しが踊った。


「奇跡の子」研究に政府関与、情報統制か


記事によると、政府は長年、奇跡の子に関するデータを密かに収集し、研究結果の一部を公表せずに隠してきた。

さらに過去には、発症リスクを持つ家庭に対し、水面下で監視や接触を行っていたという。


美咲は記事を読む手を震わせた。

あれほど「家族のため」と信じていた制度づくりの裏に、こんな事実が隠されていたなんて――。


健太も記事を見つめたまま動かない。

「俺たちは、ずっと見られてたってことか…?」

その声には、怒りと諦めが入り混じっていた。


白石は黙って記事を読み終えた後、ふと小宮の顔を思い出す。

そういえば、以前の会話で小宮が曖昧に口を濁したことがあった。

その瞬間、白石は確信した。――小宮は、この可能性を知っていたのだ。


数日後、小宮は白石の前で静かに頷いた。

「確証はなかった。ただ…妙な資料の消失や、研究費の不自然な中断を何度も見てきた。政府が関与していると疑ってはいたが、動けば潰されると思っていた。」


白石は息を呑む。

医師としても、母としても、この事実は重すぎた。

政府が関与していたことで、一部の治療法やデータが公にされなかった可能性――それは、健太や同じ境遇の子たちの命を奪いかねないことだった。



「私は医師として、何をすべきなのか……」

「母として、子どもたちをどう守ればいいのか……」


答えが見えず、迷いと葛藤に心が引き裂かれる思いだった。


だが、静かに胸の内に浮かぶのは、あの小さな命たちの笑顔。

彼らがただ、普通の幸せを掴む権利を持っていること。


「もう、隠れて生きる時代は終わらせたい」


白石はやがて決意を固め、再び前を向いた。

それは、苦しくとも進むべき道――命を守るための戦いの始まりだった。


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