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病院の静かな診察室。白石は息子の健太と向かい合い、母としての強い愛情を込めて話しかけた。
「健太、今の症状はまだ軽くて、深刻な状態じゃない。でもこれから変わるかもしれない。だから、できるだけ早く治療を始めたいと思っているの」
健太は少し俯き、言葉を詰まらせながらも静かに応えた。
「わかってるよ、母さん。でも正直、怖いんだ。これからどうなるか分からなくて…」
白石はそっと息子の手を取り、涙ぐみながらも優しく微笑んだ。
「怖い気持ちも不安も全部、母さんが一緒に受け止める。あなたは一人じゃない。母さんはどんな時でもあなたの味方で、ずっと支えていくからね」
健太の瞳に少し光が戻り、彼は小さく頷いた。
その後、二人は美咲にも治療のことを伝えるため、話し合うことにした。
「美咲にもちゃんと話すよ。あなたを支えてくれる人だから、一緒に乗り越えていきたい」
健太は力強く頷き、三人で未来へ歩み出す決意を共有した。




