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奇跡の胎動  作者: めい


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6-7


夜の海風は少し冷たく、街灯のオレンジ色が歩道をぼんやりと照らしていた。

美咲は先に着いていて、手すりにもたれながら海を見ていた。

髪が風に揺れ、光に透けてやわらかな色を帯びる。


「遅くなってごめん」

声をかけると、美咲は振り向き、少しはにかんだ笑顔を見せた。

その笑顔に、健太の胸がじんと熱くなる。


「……ちょっと心配してた。なんか、声、元気なかったから」

「うん。……ちょっと考えごとしてた」


本当は、離れることを考えていたなんて言えるはずもなかった。

代わりに、美咲の横に立ち、同じ海を見た。

波の音が二人の間を静かに満たしている。


ふと、美咲がこちらを見上げる。

その瞳は、不安を隠しながらも、自分を信じようとする強さを宿していた。


「健太くんがそばにいてくれると……なんか安心する」

その一言が、健太の胸に深く届いた。

ただの優しい言葉じゃない。

それは、美咲が自分を信じてくれている証だった。


(……俺がいなきゃ、美咲は安心できない)

距離を置いて守るなんて、きっとできない。

それよりも、自分が前に立って、全部から彼女を守りたい。


健太はそっと美咲の手を握った。

その手は少し冷たかったけれど、握り返す力は確かだった。


「美咲……俺、絶対離れない」

短くても、その言葉には健太のすべての決意が込められていた。

海風が吹き抜けても、二人の手は離れなかった。


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