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奇跡の胎動  作者: めい


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33/86

6-6


見慣れない男の影は、その日だけでは終わらなかった。

数日後、美咲が一人で駅へ向かう途中、後ろから声をかけられた。


「君、健太くんの彼女だよね?」

振り返ると、手に小さな録音機を持った男が立っていた。

スーツ姿だが、その笑顔は妙に薄気味悪い。


「やっぱりそうだ。少し話を――」

「やめてください!」

美咲は声を震わせて拒絶し、そのまま駆けだした。

しかし翌日、学校の正門前で同じ男が待っているのを見つけ、足がすくんだ。


健太はすぐに異変を察した。

「……何された?」

「大丈夫。何もされてない。でも……怖い」

美咲の声は、初めて出会った頃よりずっと小さかった。



その夜、健太は母に電話した。

「……俺、どうしたらいい?」

受話器の向こうで母はしばらく黙った。

けれど、その声はいつもより柔らかかった。


「健太……大事な人を守るっていうのは、ただ隣にいることだけじゃないんだ」

「……」

「時には距離を置くことも、その人を守る方法になる。

でもね、それは“諦める”ってことじゃない。

離れても、心の中でつながっていられる関係もあるんだよ」


健太は唇をかみしめた。

母の言葉は、自分の胸の奥の痛みを優しく撫でるようで、同時に深く突き刺さった。





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