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流産の話が出てきます。
読む際はご注意ください。
波の音が静かに響く離島の小さな診療所。
陽子は検査結果を受け取り、医師の静かな声に耳を傾けていた。
「陽子さん、妊娠していましたが、残念ながら流産でした」
医師の言葉は優しかったが、陽子の胸には重いものがのしかかった。
「妊娠していたなんて……性交渉はしていません」
彼女は震える声で告げた。信じてもらえないかもしれない恐怖と、不安が混ざっていた。
医師は静かに頷き、メモを取った。
「この流産した子は、これまでに島で確認されている“奇跡の子”の一例かもしれません」
彼の言葉に、陽子の心はざわついた。
診療所の医師はこの情報を、遠く離れた白石医師に連絡した。
「白石先生、また新たな症例が入りました。性交渉なしでの妊娠と流産です。詳細をお伝えします」
陽子の胸には悲しみと戸惑いが交錯していた。




