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流産の話が出てきます。
読む際はご注意ください。
波の音が静かに響く離島の小さな家。
陽子は突然の腹痛に顔をしかめ、手をそっとお腹に当てた。
これまでにも時折感じていた痛みだったが、今回はなかなか収まらない。
「また生理痛かな……」
そう思いながらも、痛みが徐々に強くなるのを感じ、不安が胸をよぎる。
痛みが引かないまま、陽子は島の救急診療所を訪れた。
受付の女性が心配そうに対応し、医師が診察室に呼んだ。
医師は丁寧に問診をし、腹部の診察を進める。
だが、陽子はまだ自分が妊娠しているとは思いもよらなかった。
「検査してみましょう」
医師の言葉に、彼女はただ頷くだけだった。
検査結果が出るまでの間、陽子は不安と戸惑いに押しつぶされそうになっていた。
お腹の痛みの正体は何なのか。自分の身体に何が起こっているのか。
静かに流れる時間の中で、彼女はまだ気づいていなかった――。
そこに、新しい命が宿っていることを。




