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第7話 紛失届のない高級剣

次に照合が引っかけたのは、白牙フロントの高級剣《金烏》だった。


 保管庫には柄だけが残り、クラン側は「魔物に折られた」と補償申請を出している。だが照合に映った履歴は違った。


 最後の移動先、スポンサー用撮影室。


 破損理由、記録なし。


 私は柄の断面を見た。魔物由来の欠け方じゃない。工具で無理に外した痕だ。


「紛失届も事故報告もありません」


 有賀紗季という行政補償課の担当官が書類をめくりながら言った。三十一歳。厳しそうな声の女だ。


「申請条件を満たしていない」


「でも通りかけていた」


「センター側の確認印があるからです」


 その確認印欄には、私の退職済み先輩の識別番号が使われていた。今は誰も使えないはずの番号だ。


「死んだ印を生かしてる」


 私は小さく呟いた。


 誰かが古い番号で幽霊みたいに書類を動かしている。



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