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第4話 なくなった救命盾
救命盾《蒼壁》は、高位探索者がスポンサー案件で使う特注品だ。
失くせば大問題になるし、見つけた人間の功績も大きい。だからこそ、早乙女は私の責任にしたかったのだろう。
翌夜、私は城崎の立ち会いで《蒼壁》の履歴をもう一度追った。照合に映った最後の移動先は、保管庫の正規棚ではなく、来賓用搬入口の奥にある特別ロッカーだった。
「あそこは渉外と管理職しか開けられない」
城崎が眉を寄せる。
「なら、なおさら見に行くべきです」
特別ロッカーは空いていた。代わりに残っていたのは、白牙フロントの輸送布と、盾の留め具に使われる青い樹脂片だった。
「現物はもう動かされた」
「でも、ここを通った証拠は残っています」
私はロッカーの扉裏へ指を当てた。照合の文字が重なる。
移送理由、スポンサー撮影用。
承認者、早乙女恒一。
受領者、姫野真白。
思わず息が止まった。姫野はただの後輩じゃない。ちゃんと手を貸している。
「三谷」
城崎が低く呼ぶ。
「一人で背負う顔をするな。証拠は運べる形にしてから出す」
「……はい」
私は頷いた。保管庫で働く人間の武器は、怒鳴り声じゃなく記録だ。
なら、私は記録で取り返す。




