↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
9/39

攻防

————ズオオオオオッ!!————


祠の空間が裂けるほどの圧力。五輪塔が悲鳴を上げるように軋む。


ガルバは必死に印を結ぶ。


『オン・バザラ・アラタンノウ・オンタラク・ソワカ!!

 ———金剛結界!!』


————ガガガガガッ!!


金色の結界が張られ、シュリーの光を必死に押し返す。


しかし———


[無駄だよ、虚空蔵君。その程度じゃ、ボクは止められない。]


————バキィィィィンッ!!


シュリーの光が結界を徐々に破っていく。

そして、ガルバの胸元へ迫る。


『・・・・・っ!!』


(・・・だめだ・・・ガルバさんが・・・死ぬ・・・!!オレ・・・何もできない・・・!!)


その時だった。


————ふと、婆ちゃんの声が蘇る。


(常に自分の心(・)に打ち勝て。恐れるな。結果はどうとでも成る。)


(・・・心に・・・・打ち勝つ・・・・今、逃げたら・・絶対後悔する・・・!!)


[じゃあね、虚空蔵君。]


『・・・・っ!!』


(・・・動け・・・動け・・!!オレの体・・・・動けぇぇぇぇ!!)


オレは瓦礫から飛び出した。


「うおおおおおおおおおっっ!!」


右手に、あの“発遣”の感覚が走る。


「オンバザラボキシャボク!!」


————ズガァァァァンッ!!


明斗の放った渾身の発遣が、一直線にシュリーの横っ腹へ突き刺さった。


[・・・・・・・ぐっ!?]


完全に不(・)意(・)を突かれた形となったシュリ—は、そのまま吹き飛ばされ壁に叩き付けられた。


それと同時に、青白い光が霧散する。


ガルバさんが目を見開いた。


『・・・・・明斗殿!?・・・やはり・・!!』


シュリーは瓦礫の中から腹を押さえ、ゆっくりと明斗を見た。


[・・・へぇ・・・・やるじゃん・・・お兄さ・・・・]


シュリ—がそう言いかけた時、


————ズガァァァァンッ!!————


明斗の二発目の発遣が、シュリ—の右(・)腕(・)を直撃した。


[・・・・がはっ!!!!]


[・・・てめぇ、間髪入れずに2発目入れるとは・・・しかも利き腕に・・・。てめぇ、ハナからこれ狙ってやがったな・・・これじゃ、印も組めねぇじゃね~か。クソがっ!!]


シュリ—は、右腕を支えながら立ち上がる。


そして、その金色の瞳が、初めて“興味”と“殺意”を帯びた。


[虚空蔵、命拾いしたな。あの兄ちゃんに助けられてちゃ守護者が廃れるなぁ。

・・・お前達、今は引いてやる。必ず纏めてブッ倒してやるからな。]


そう言い残し、シュリ—は天上に空いた穴へジャンプし、姿を消した。


シュリーが天井の穴へ跳び去り、祠の空気が一瞬だけ静まり返った。


————カラン……ッ


瓦礫が転がる音だけが響く。


『・・・明斗殿・・・!』


ガルバが駆け寄ろうとしたその瞬間だった。


「・・・っ・・・・は・・っ・・・・」


明斗の膝がガクンと折れた。


(・・やば・・・体・・力が・・・抜け・・・・)


視界がぐらりと揺れる。


————ドサッ。


明斗はその場に崩れ落ちた。


『明斗殿!!』


ガルバが慌てて抱きとめる。


(・・・あ・・ガルバ・・・さん・・やべ・・・力・・入ら・・・)


指一本動かない。呼吸も浅い。全身が鉛みたいに重い。


ガルバは明斗の脈を取り、顔色を見て、眉を深く寄せた。


『・・・二発も・・あの“技”を・・・』


ガルバさんの声が震えている。


『明斗殿・・これは・・・普(・)通(・)の(・)人(・)間(・)が扱ってよい力では・・・』


(・・・わかってる・・・でも・・・・助けたかった——。

ガルバさん・・死にそうだったから・・・)


口が動かない。声も出ない。


ただ、意識だけが薄れていく。


ガルバは明斗を抱きかかえ、祠の中央から離れた場所へそっと寝かせた。


『・・・明斗殿。よく・・・耐えました。よく・・・私を・・助けてくれました・・』


その声は、いつもの落ち着いたガルバではなく、どこか震えていた。


(・・婆ちゃん・・・オレ・・・ちゃんと・・心に・・・勝てた・・かな・・・)


————ストン。


明斗の意識は完全に途切れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。