紫苑
お二人の熱い口づけタイムがようやく終わり、紫苑さんが離れる。
『・・・これ以上は、だーめ。どう?これでも、まだ拗ねる?』
頬を赤らめ、悪戯っぽく言う紫苑さん。
(・・・何と艶っぽい・・・くそぉ・・・彼女いない歴=年齢のオレの前で、そんな刺激的な事やりやがって・・・)
ガルバさん、・・・いやガルバは眼鏡をクイッと上げながら
『・・・別に拗ねてなどいない・・それに、バサラや明斗殿の前でこんな・・・』
『・・・こんな、なぁ~に??』
そう言いながら、紫苑さんがまたガルバさん、もといガルバに近付いて・・・再び・・・
「・・・・待てぇぇぇいっっ!!」
声を上げるオレ。
「・・・何を二人でイチャ付いてんだ。そしてなーに、紫苑さんに近付かれて、まんざらでも無い表情してんだ!ガルバ!!」
『・・ガ・・ガルバ・・・』
オレが「さん」付けではなく、呼び捨てにした事を思わず声に出してしまうガルバ。
「・・・やかましいっ!!人前、それも・・よりによってオレの前で、こんなエロ美人なお姉さんとイチャつくヤツに、敬称なんぞ使わんっっっ!!!」
(・・・激しく個人的な意見=ヒガミを叫ぶオレ。)
「・・・んで、紫苑さん、さっき言いかけてた頼みって何なんだ?」
『・・・そうだ。それだ。』
紫苑さんは、バサラが横になっていたベッドに座り足を組む。
『ここに来る前に、明斗が倒して捕まえたガーラの治療を行った際に、ちょーっとお話聞いたら、アイツらまた新しい結び目を見つけて、破壊を行う算段を付けてるらしい。』
(・・・その、ちょーっと話を聞くってのが少々引っ掛かるが、敢えてツッコミを入れずに聞き流そう・・・ガーラ、敵ながらご愁傷様。)
ガルバが口を開く。
『・・新たな結び目ですか?確か、この間バサラの管轄するエリアの結び目が破壊されたから、残り9つになってしまったハズですが・・・』
『・・・私もそう思っていた。しかし、どうやら最近胎蔵界側で見つかっていなかった結び目の場所が分かったという知らせが来ていたそうだ。しかし、胎蔵界側の守護者がそれぞれ諜報活動やらに出払っていて、対処できる者がいなかった。という話だ。だから、ガーラはここの襲撃が終わればそちらへ向かう予定だったらしい。』
バサラが耳をほじりながら口を開く。
『・・・なるほどのぉ。だから今の内にその結び目へ向かい、近付けぬように結界を張って守ろうという事じゃな?』
ガルバが再び眼鏡を上げながら話す。
『・・・しかし、我々は自分の守る結び目を守る事で精一杯。ましてや敵陣営で場所すら詳しく分かっていない。なかなか難しいですね。』
紫苑さんがため息をつきながら話す。
『・・・はぁ。実際そうなのよ。守護者の数が少なすぎて何も出来やしない。アタシは、戦闘タイプじゃないし。明斗だけに行かせる事も出来ないし・・・ったく、せっかく情報吐かせたのに、使えないんじゃアタシの時間返せってーの。』
「・・・それ、何とかなるかもしれません。」
重苦しい雰囲気を破ったのはオレだった。




