↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
31/39

襲来 捌

———同時刻。




バサラの脇腹から流れた血が、地面に一滴落ちた。




その音が、妙に大きく響く。




ルドラは拳を構えたまま、どこか楽しげに微笑んでいた。




【……終わりにしようか、バサラ。】




バサラは闘気を纏い直し、静かに腰を落とした。




『……まだ終わらんわい。』




バサラはそう言うと、短く『オーン』と呟く。




すると、手のひらサイズの小さな三鈷杵のような物が出現する。




それが、一瞬で大きくなり、金剛戟(こんごうげき)(※戟とは、長い柄の先に金属製の尖った矢じりがつき、そのすぐ下に三日月状みかづきじょうの刃が付いている武器)となる。




『・・これを出す羽目になるとはのぉ。少々見くびっておったわい。』




バサラはそう言うと、金剛戟をグルグルと回し、構える。




【・・・そんな物出したからって、何も変わりはしない!】




ルドラは、グッと手を握り拳を突き出す。




バサラは、片手で金剛戟を持ち、切っ先をルドラへ向ける。




———ドンッ!!




鈍い音と共に、バサラの腹部に衝撃が走る。




『・・・がはっ・・・ぬうぅぅ・・』




【・・・やっぱり、意味無いじゃないか。そんな武器出したって、使わなければただの玩具だ!!】




そう言いながら、ルドラはグッと手を握り、拳打を繰り出す。




———ガキィイイン!!




バサラは、その一撃を金剛戟で受けた。




『・・・ふむ。やはりか・・・』




【・・・なに!?たまたま当たっただけでイイ気になるなっ!!】




ルドラは、グッと手を握りワン・ツーのように拳打を再び出す。




初撃はバサラの右頬をかすめ、二撃目は金剛戟で防ぐ。




【・・・何だと!?】




【・・・ならば、これは防げまい!!】




【界断掌!!】




———見えない刃。




『・・・・ぬううぅん!!!』




バサラは、金剛戟を振り下ろす。




———パキィィンッ!!




バサラは、見えない刃を両断した。




『・・・お主のその技、空間を歪めておるな。拳打は、空間を掴んで拳打と共に放つことで、ワシの前に空間のひずみを作り、出現させる。そして、見えない刃は所謂、鎌鼬(かまいたち)と呼ばれる現象に近い。鎌鼬は空気であるが、お主の技は空間を裂く事で真空を作り出し、それを刃としておる。そして、その刃はお主の声によって作り出される。違うか?』





【・・・それが分かったとして、現状は何も変わらないだろ?いつまでも防戦一方じゃ、永遠に反撃なんて出来ない!!そろそろ逝け!!】




【界断掌!!】




ルドラはそう叫ぶと、更にグッと空間を圧縮し、拳で放つ。




【界断掌!!】




バサラは、呪力を金剛戟に込める。


『オン ニソムバ バサラウンパッタ』




———バサラが真言を唱えると、金剛戟が光に包まれる。




刹那。




空間の歪みが、一気に直線に戻る。




———パキィィン———




ルドラが放った界断掌と拳撃が砕け散る。驚きを隠せないルドラ。




一瞬の隙を見逃さないバサラはルドラとの距離を一気に詰めた。




金剛戟を振り下ろす。




———しかし、その一撃はルドラに当たる事はなく、1cm前を通過する。




・・・ルドラがほくそ笑む。左手をグッと握り・・・




その時、金剛戟が光を放つ。




【・・・なっ・・!!】




一瞬で笑みが消えるルドラ。




——次の瞬間。




左手を逆手にし持ち替えた金剛戟の柄の部分がルドラの顎を下から救い上げるように強襲した。




————ズドンッッ!!!———




距離して10m位吹き飛ばされ、ルドラが自分で消し飛ばした祠の残骸に背中を打ち付ける。




『・・・久々に骨のある戦いだったわい。一時は、ちと危なかったのぉ・・』




バサラはそう呟くと、出血が止まらない脇腹を押さえながらクレーターとなっている祠を覗く。




———しかし、そこにルドラの姿は無かった。




『・・・ヤツめ、逃げおったか・・・』




((・・・それより、明斗の方は大丈夫であろうか・・どうやら守護者らしき呪力を感じるが・・・))




バサラは、呪力を纏い『・・・ぬううぅん!』と力を入れる。




すると、開いていた傷口が閉じ出血が止まる。




『・・・まぁ、一時的な応急処置さえしておけば死ぬまい。しかし、傷口が開く故飛べぬな。』




そう言うと、明斗の元へ向かうのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。