襲来 漆
【・・・これは~金剛牙斧。すご~く固いから~、何でも叩き切れる訳~。】
【・・・これで~、君を~真っ二つにしてあげるね~。】
(・・・・斧か・・重量武器で、しかもあんなに大きい。盾でまともに防ぐとマズイかもな・・・)
【・・・・んじゃぁ~、これでバイバイだねぇ~。】
そう言うと、ガーラは今までとは全く違うスピードで迫って来る。
(・・間に合え!)
「ノウマクサンマンダ・バザラダンカン」
ガーラは大きな金剛牙斧を振り下ろす。
———ガキィィンッッ!!———
オレは、三鈷杵の剣と独鈷杵の盾でその一撃を防いだ。
【・・・・なっ!!!】
驚くガーラを他所に、オレは盾で金剛牙斧を払いのけると、三鈷杵剣でガーラに横薙ぎを放つ。
それを間一髪で避けるガーラ。
【・・・っらぁあ!!】
ぐるりと半回転して左なで斬りのような恰好で、金剛牙斧を振り下ろしてくる。
オレは、咄嗟に後ろに避ける。
———バコッっっ!!
地面に亀裂が入る。
【・・・君ぃ~。その剣~どこから出したぁ~??やっぱり~君~普通じゃ~無いねぇ~。それに~さっきの真言は~・・・君ぃ~まさか、不動明王の~】
「・・・そうか?オレは普通のブラック企業に努める普通の会社員だが?」
【・・・そうか~まさか~不動明王の~加護を持つ者が~いるなんて~知らなかったよ~。これは、アノ方への~良い土産話に~なりそうだな~。このガーラが倒しましたよ~ってね~。】
(・・・・この余裕な感じ。まだ何か隠し持ってるな・・・)
【・・・ハッ!!】
そう言うと、回転を加え遠心力を載せた左からの一撃を放って来るガーラ。
(・・・まともに受けると吹き飛ぶ!)
そう思い、盾と剣で勢いをいなす。
———ギイィイン!!
更に、独楽のように回りながら同じく左斜め上からの振り下ろしを放って来るガーラ。
————ガキィィン!!
オレは、その一撃を盾と剣で受け流し、そのままクルリと回り、ガーラの腕を目がけて一閃。
ガーラは、それを金剛牙斧の柄で受ける。
ガーラは、金剛牙斧を重しにして、柄の部分を支えにし蹴りを放つ。
(・・・それは予測済みだ!)
オレは、その蹴りを盾で弾き、左袈裟斬りを放つ。
ガーラは、その左袈裟斬りを紙一重で避け、地面にある金剛牙斧を振り上げる。
———が、オレもその一撃を紙一重で避ける。
(・・・・よし。相手の攻撃が見える。バサラとの訓練が生きてるな。)
ガーラは、ピョンと後ろに下がり、間を開ける。
【・・・小賢しい~動き~するじゃ~ん。じゃぁ~、今度こそ~終わりに~しよう~】
そう言うと、ガーラは呪力を金剛牙斧に込める。そして、ガーラ自身にも呪力を纏わせる。
【・・・剛力強化】
(・・・・これは本気でヤバい。出し惜しみしてる場合じゃない!!)
そう思って、護身法を最大出力で纏う。
———フッ・・・
ガーラの姿が消える。
———ドンッ!!!——
踏み込みで、地面が抉られる。
(・・・・来る!!!)
【破砕撃!!】
ガーラの声と共に、呪力を纏った金剛牙斧が右下から振り上がって来る!
—————バキキキィイイィィィィィンッッ!!!!
振り下ろした三鈷杵剣と独鈷杵盾、そして最大出力で纏った護身法で受け止める。
———が・・・
オレは、振り上げられた一撃だった為、そのまま吹き飛ばされ、民家の壁を貫通し反対側の壁に激突する。
「・・・・がはっ・・」
口から血を吐く。
(・・・こりゃ、肋骨何本か逝ったな・・・)
(・・・それにしても、溜め攻撃を放って来るとは・・・)
【・・・・ちっ・・・お前、オレ様の破砕撃を喰らってもまだ生き残ってるの、普通にムカつくわ。】
「・・・へへ・・・そうか・・・?まだ、戦えるぜ?・・・その技、弱いんじゃね~か?」
ヨロヨロと立ち上がり、口の血を拭う。
【・・キサマ、いちいち癇に障る事を言いやがる。次で本当に最後だ。哀れに砕け散るがイイ!!】・
そう言うと、ガーラは再び金剛牙斧に呪力を込める。
民家から出てきたオレは、一か八かで腹をくくる。
————今までの全てを叩き込んでやる。




