襲来 伍
———それと同時に、バサラがその場からフッと消えた。
次にバサラの姿を捉えた時には、バサラの拳が目の前に迫って来ていた。
————しかし。
バサラの拳は私の顔の横1cmを通過する。
間髪入れずに、左フックが飛んでくる。
それも、私の顔の前1cmを通過する。
腕が通過したタイミングで、カウンター狙いの左膝蹴りを出す。
***
ワシ渾身の右ストレートをアッサリ避けられるとは思っておらんかったな・・・。
((・・・やはり面妖な技を使っておる・・ワシの攻撃が全て躱されておる))
左フックをかわされた後、ルドラが良いタイミングで膝蹴りを入れてくる。
((・・・これを避けてから、一旦間を取って・・・))
そう考えていると・・・
———ドカアッッ!!!
避けたハズのルドラの膝蹴りが、ワシの腹に刺さる。
『・・・なに!?』
勢いで後方に吹き飛ぶ。
ザザザ・・・。数m下がった所で止まる。
『・・・その面妖な技、以前は使っておらんかったのではないか?』
【・・・言ったでしょ?力に目覚めたと。私は私の中に眠っていた力をアノ方に起こしてもらったです。以前の私とは違います。今度はこちらから行きますよ。】
そう言うと、ルドラはグッと拳を握り、その場から動かずに、まるで準備運動をするかのように、右腕をワシに向かって突き出す。
———刹那。
————バキッッッ!!———
ワシの顔面に殴られたかのような衝撃が走る。
『・・・ぐっ・・』
ルドラは、その場で次々に拳を振るう。
その度に、空気では無い何かから打ち付けられる。
ガードしようにも、音もなく突然来る衝撃に成す術がない。
———ならば、撃たせないように接近するのみ。
———ドンっ・・・
間合いを一気に詰める為に、一足飛びでルドラに迫る。
そこに。
【界断掌!!】
『・・・最初のあの技か!』
————ザシュッ!!!
【・・・よく、今のタイミングで体を捻ったね。まぁ、でも避け切れなかったみたいだけど。】
・・・・ポタ・・・ポタ・・・
『・・・何のこれしき、問題無いわい。ちょっと掠っただけじゃ。』
ヤツの放った見えない刃は、ギリギリ回避に成功したワシの脇腹をかすめて後方に飛んで行った。
『・・・ワシの体に傷をつけるとはのぉ。お主、相当に腕を上げたみたいじゃな。』
【・・・負け惜しみかな?大した傷じゃないって言う風には見えないけど。】
『・・な~に。心配せんでも大丈夫じゃわい。ここからが勝負じゃ。』
【・・・何がここからなのでしょう。絶体絶命な状況だと分かって無いのですか?私には攻撃が通じず、私の攻撃はアナタに通る。さぁ、次で終わりにしましょう。】
そう言うと、ルドラは再び拳を構えた。




