襲来 参
一方、その頃ガルバがいる町の中心・祠がある屋敷では———
【報告です。屋敷の周囲に数十体の魔が集まっています。東門及び南門へ兵20名ずつ配置完了しました!】
伝令兵がガルバへ報告を行う。
『兵士たちよ。ここには強固な結界が貼られていますが、気を抜かぬように。私は、屋敷の外の魔を払います。外の魔を一掃した後は、各隊結界の外に出て、各個体を引きつけて下さい。私が残りを各個撃破します。』
そう言うと、ガルバは地面に手を触れる。
すると、地面に虚空蔵菩薩の梵字である「त्राः」(タラーク)という青白い文字が浮かぶ。
『全ての魔を打ち払え!』
『オン バザラ アラタンノウ オンタラク ソワカ!』
————ゴオゥゥゥゥゥ———
刹那。青白い光が屋敷全体を包み、上空へ光の柱が立ち上った。
『・・・ふう。いざと言うときに仕込んでおいた呪力敷陣が役に立ちましたね。』
ガルバが再び地面へ手を触れると、呪力敷陣の青白い光が静かに脈動し始めた。
『・・・よし。これで周囲の魔は完全に殲滅できました。』
兵士たちが安堵の息を漏らす。
ガルバはふと空を見上げた。
青白い光柱が消えた空は、どこか不穏な揺らぎを含んでいる。
((・・・明斗殿の方で、何かが起きている・・・この“嫌な気配”・・・あちら側の力が動いている・・・))
ガルバは静かに立ち上がり、祠の奥へと視線を向けた。
『・・・虚空蔵よ。どうか・・・明斗殿をお守りください。』
そしてガルバは、生き残った魔を払いに走るのだった。




