襲来 壱
———バサラとガルバの修行が始まって10日程経った頃だった。
バサラと実践訓練を行っている時に、突然南の方角から爆発に伴うと思われる煙が上がるのが見えた。
(・・・・煙?・・何かあったのか?)
そう思っているとバサラがその煙が上がっている方角をジッと見つめ、口を開いた。
『・・・こりゃ、ちとマズイ事になっとるやも知れんな。明斗よ、どうやらワシの修行はここまでのようだ。』
「・・・??バサラ、急にどうした?何かあったのか?」
『・・・うむ。どうやらワシの管轄する場所の祠が一つ襲撃されたようじゃ。祠が無事なら良いが・・・』
「・・・・えっ!?祠って、そんなに数あるのかよ?!」
『・・・何じゃ、お主そんな事も聞いていなかったのか?残っている祠は残り10個じゃ。後は全てやられてしもうた。今、襲撃された祠がやられたとすれば、残り9つになる。』
「・・・いやいや。そんな10個しか残っていない祠なのに、オレの修行なんかに付き合ってて良かったのか!?」
『うむ。ワシの結界内に侵入できる輩等殆どいなかったハズじゃ。結界を割ってまで侵入出来るとすると・・・まさか・・・。』
『・・・明斗よ。ワシは今から戻る。ちと、嫌な予感がするからのぉ。それに、ワシの管轄する地域には祠が残り2つある。それも心配だしの。』
「・・・・だったら、オレも一緒・・・」
『いや。今のお主では役には立たぬであろう。お主は修行に励みながら力を蓄えよ。良いか?』
(・・・・くっ・・今のオレじゃ役に立たない・・か・・)
「・・・あぁ・・分かっ・・・・」
オレがそう言いかけた時、街の入り口付近から爆発音がして地面が揺れる。
「・・・・なっ!?・・」
『・・・ちっ・・こんな時に。ヤツらめ、同時攻撃とは。』
すると、そこへガルバさんが走って来た。
『バサラ、明斗殿、爆発が!』
バサラは、大きく頷くと
『・・・どうやら、ワシの結界が破られて祠が1つやられたようじゃ。ワシは今からそっちへ向かう。こっちの事はガルバ、任せたぞ。』
そう言うと、バサラはすうっと息を吸い・・・
————ダンッッッ!!———
大きくジャンプし、屋根を伝って飛び去った。
『・・・明斗殿、私は街の入り口を見て参ります。明斗殿は・・・』
「いや。ガルバさんは、ここにいて下さい。街の爆発が陽動の可能性もあります。本命はここを狙っているのかもしれません。爆発はオレが見てきます。」
『・・・それでは、明斗殿が・・・』
「・・・大丈夫です。何の為に修行したと思っているんですか!それに、いざとなったら逃げてきますから!」
『・・・・分かりました。では、明斗殿にお任せします。決して無理はしないで下さい。あなたは・・・』
「・・・一人しかいない修復師・・・でしょ??」
『・・・・はい。』
((・・明斗殿、自分の世界とは違う所に急にきて、ここまで・・・。強いお方だ。空海が選んだ理由が分かる。))
「じゃ、オレ行ってきます。ガルバさんも気を抜かないで下さいね。また後で。」
『・・・はい。ご武運を。』
———そう言うと、オレは爆発があった街の入り口へ駆け出す。




