発現
オレはベッドに横になる。
(・・・オレ、ここに来て寝てばっかりだな・・・)
そんな事を考えていると、目覚める前に夢見た加行の様子を思い出す。
「・・・あの時・・・・護身法の伝授の時は何だか嬉しかったなぁ・・・」
(確か、こうだったっけかな・・・)
そう思いながら、護身法の真言を唱えながら印を結ぶ。
護身法は、浄三業・蓮華部・金剛部・被甲護身から成っていて、簡単に言うと、心身を清め、邪を寄せ付けない状態を作るという事だ。
護身法は、どんな場面でも必ず結んでいたので、案外思い出せた。
最後の、被甲護身を結び終わった時だった。
———ブウゥゥン———
薄い黄色の「膜」のような光がオレの体全体を包む。
「・・・え?・・・え?」
思わぬ実体化に声が出る。
(・・ちょい待ち。これは一体・・・?・・・何の効果が・・?)
この世界は、真言と印があれば何でも発動するのか・・さすが、両部曼荼羅の中だ・・・
そこへ、ガルバさんが廊下を通る。
バサラが扉を蹴破ったおかげで、部屋は丸見えの状態。
『・・・・は??』
ガルバさんが5度見するような勢いで目を丸くしている。
そのままツカツカと部屋に入って来る。
『・・・で?寝てて下さいと言ったのに、明斗殿は一体何を??その光は何です?』
「・・・い・・・いや・・ちょっと、護身法を思い出したんで、やってみたら、いきなり発現しちゃいまして・・・これ、何なのか全く分からずでして・・・」
『・・・・ご・・護身法!?明斗殿、それを解けますか?』
「・・あぁ、はい。解くときは確かこうやってやれば・・・」
そう言って、護身法を解く。
薄い黄色の光は護身法を解くと消えた。
「・・ひょっとして、ガルバさん護身法、分かります?」
『・・・えぇ。私達には使えないですが、昔この世界を作った空海が使っていたと聞き及んでいます。』
「・・・おぉ・・お大師様が・・・。それで、どんな効果があるのとか分かります?」
『・・・下級の魔等は、その護身法の光に触れると消滅させられると聞きました。そして、護身法を使っている間は一時的に身体能力が上がるとも。ですが、呪力の消費が激しいと伝承にありました。』
「・・・確かに、今使ってた数分間だけで呪力がかなり持って行かれたような感じがします。」
『・・・ただ、あくまでも伝承ですので効果が本当かどうかは分かりません。』
『・・・・・ですが・・・』
『これは、呪力の修行に使えますね~!!呪力は使えば使うほど強くなって行きますから、これは限界ギリギリまで使って、呪力を鍛えましょう!!』
(・・・・出た。バサラとは違う意味での脳筋・・・)
オレは深いため息をつくのであった。




