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修光

ここは、聴き所という事であらゆる物をガルバさんへ聞いてみた。


まずは、呪力について。


呪力は、やはり使えば使う程強化されていくらしい。所謂、死にかけたサ〇ヤ人が全快すると強くなってるシステムだ。


そして、呪力はある程度休めば自然回復していくらしい。また、呪力は譲渡可能だと言う事。また、使い切ると意識を失ってしまうのは、実体験済みだ。



また、さっきもガルバさんが言っていたが、法具や発遣はオレしか使えない事が分かった。



ガルバさんと話をしているうちに、外が明るくなって来た。



『・・・おっと。もう朝ですか。少し休みましょう。ゆっくり休んで下さい。このまま私の部屋で休まれて下さい。ここなら邪魔は入りませんから。』



「・・・ありがとうございます。少し寝てから修復作業を始めてみましょう。」



『・・・そうですね。私は、外の様子を確認してきますので、ゆっくりして下さい。』



そう言うと、ガルバさんは外に出ていく。



「ありがとうございます。」



ガルバさんの背中に声を掛けると、ソファーに横になる。



(・・・オレが不動明王の守護者・・か・・・実感沸かないな・・・)



そんな事を考えながら眠りについた。


(・・・輩。・・・・・BOSS!!・・・・。)



「・・・・う・・・ん・・・・」



(・・・BOSS!)



————ボス??



一瞬で覚(・)醒(・)する。



この世でオレをBOSSと呼ぶのはオレが手伝いに行っていた寺の後輩だけ———。



目を開けると、オレの顔を覗き込む後輩の顔があった。



「・・・うわっ!!近い!!キモイっ・・・!!」



(・・・・いやいや。キモイは言い過ぎっしょ!・・・ってか、何で寺務所(じむしょ)で転寝してんすか!!)



・・・寺務所!?



よく見ると、作務衣を来た後輩が・・・



いや。若い。



寺で一緒だった頃の後輩の姿があった。



———オレは・・・自分の顔を触ってみる。



うん。若返ってる。



ん??どういう事だ???これは夢か?



でも、ハッキリ意識はあって手の感触もきちんとある。



(・・・BOSS、さっきから何してんすか!?自分の顔触ったりして・・・キモイなぁ・・・)


「・・・お前には言われたくないっ!!」



ペシッと禿げ頭をはたく。



(・・・・痛っ!!ってか、行きますよ。)



「行く?どこに行くってのよ??」



(・・・何言ってんすか!!寺の奥さん(住職夫人)に護摩堂の掃除しろって言われたじゃないっすか!!)



「・・・げ。また掃除!?掃除に良いイメージ無いんだけどな・・・」



(何、訳分からない事言ってるんすか!行きますよ!!)



「へいへい。行けば良いんでしょ。行けば。」



そう言いながら、護摩堂へ向かう。



護摩堂は物がたくさんあって、これを片付けろという事らしい。



どれどれ・・・面倒だけど終わらないからやるか・・・



色々な行法次第が積まれてある。その中に、ふと護摩次第があるのを見つけた。



「・・・何だか懐かしいな・・・久々に見た。」



(・・・BOSS、読んでないで片付けて下さいよ~!)



そう言われながらも、中を開く。



おぉ・・・久々に見たわ。見ると思い出すもんだな~。



(・・・何言ってるんすか!BOSS、加行終わったの三か月前でしょ!懐かしいって意味分からないっすよ!)



・・・・なるほど。そう言えば、護摩堂の掃除やれって言われて、適当にやってたら後で奥さんからめっちゃ怒られた記憶があるな・・・



・・・ま、いっか(笑)



次第を見ると、忘れてた記憶が蘇って来る。



そう言えば、念誦ってあったよな・・・そこ見れば、不動真言と火界呪も載ってるはず・・・



————あ。あった!!



ノウマクサマンダ バザラダン・・・



そこまで読んだ時だった。



『・・・・明斗殿!!』



ん???ガルバさんの声??何で??



そう思った瞬間、目が覚めた。



『・・・・明斗殿、そろそろ支度を。結び目を修復しましょう。』



(・・・・何だか、凄いリアルな夢だったな・・・)



不思議なのは、今まで次第を読んでいたかのような感覚だった事だ。



「・・・あ。はい。でも、オレどうしたら修復出来るか分からないんですが・・・。」



『・・・そこは安心して下さい。私には修復力はありませんが、修復の仕方は知ってますから。』



「おおぉ~!さすが、文殊菩薩の守護者なだけありますね!宜しくお願いします。」



そう言って、オレはガルバさんと一緒に祠のある部屋へ移動した。



昨日、襲撃を受けた祠のある部屋は穴の開いた天井の修復が終わっていて、壁に梵字でお経のような物を書いている最中だった。



『昨日、襲撃され、この結界の文字がだいぶ壊されてしまったので、現在修復しています。』



「なるほど。それにしても、皆さん仕事が早いですね。こんなに早く修復するなんて。」



『ええ。彼らは専門家なので、不眠不休でやっています。』



「・・・え!?随分とブ(・)ラ(・)ッ(・)・・・・」



そこまで言いかけて慌てて言葉を飲み込む。



危ない。危うく、「責任者」に思いっきり言ってしまう所だった。



そんな事を話している内に、祠の前に辿り着く。



「・・・んで、ガルバさん、オレはどうすれば?」



『・・・はい。まずは金剛鈴を。』



オレは金剛鈴を取り出す。



『金剛鈴を鳴らして下さい。そして、最後に光明真言を。』



———ふっ。見くびるな。光明真言はいくらオレでも覚えてるぜ。



「分かりました。では、いきます。」



そう言って、オレは目を閉じる。



(・・・・金剛鈴なんて、加行の時以来だけど、あの鳴らし方で良いんだろうか。ってか、あの鳴らし方しか知らないから、それで行こう。)



チリンチリン・・・・チリンチリン・・・



1音を大切に鳴らしていく。



1音鳴らすたびに、その音の波紋が広がっていくのが分かる。



目を開けると、金剛鈴から青白い波動が出ていた。それは空間全体を包み———



天井へ集約され、祠に光が降り注いだ。

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