追魔
「・・・・・・マジが・・・こいつ、まだいたのか・・・やべぇ・・・」
人魂型の魔は、たくさんある目を瞬きさせながら、こちらを凝視している。
————ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ———
(———やばいっ・・この音は・・・!!)
そう思った瞬間。たまたま掴んでいた独鈷杵が光を放った。
—————バチチチィィィィッッッ!!!!!
それは、光の壁となり、魔の攻撃を弾いた。
衝撃で、後ろに吹き飛ぶ。
「・・・ぐわっ!!・・・」
「・・・・いててて・・・独鈷杵が・・光ってる!?・・・盾??」
確か、独鈷杵って杭?か何かって聞いたような気がするな。結界の盾か!
驚いたのは、オレだけでは無かったようだった。
一瞬、何が起こったのか分かっていなかった魔が、今度はオレに向かって突進して来る。
慌てて、体勢を立て直す。
—————バチチチィィィッッッ!!!
再び独鈷杵の盾に弾かれる魔。
でも、衝撃は防ぐ事が出来ないので、後ろに飛ばされる。
その姿を見て、魔が再び突進して来る。
今度は吹き飛ばされないように前傾姿勢で迎え撃つ———
そう思った瞬間、魔はグッと下に貯めを作り、斜め上に跳ね上がる。
下から上への突進に、前傾姿勢で耐えようとしていたオレは、衝撃で独鈷杵の盾が跳ね上げられる。
「・・・ぐ・・コイツ、考えてやがる・・・!!」
————ヴヴヴヴヴヴヴ————
・・・・コイツ、まさか!!
魔は、跳ね上げられたタイミングで地面を抉る攻撃を放つ。
辛うじて、独鈷杵の盾で防ぐも体制を崩された状態での攻撃に、大きく後ろに吹き飛ばされる。
「・・・ぐっ・・・。これじゃ、防戦一方じゃん・・・それに・・・」
そう呟いて、後ろを見ると・・・
下が見えない高さの崖。
・・・・この魔、これを狙って攻撃してたのか・・・
・・・目玉しか無いのに、予想以上に頭がキレる・・・
こうなったら、発遣しか無いか!
そう思って、思い切り地面の砂を蹴る。
「・・・よし。目くらませの間に、撃つ!!」
「オンバザラ・ボキシャ・ボク!!!」
———パチンっ!!!
力の塊が、目玉の魔に向かって飛翔する。
—————よし!当たった!と思った、その時。
————ビキィイィィイィィイイィィィ!!!
魔がそう発した。
すると、魔は元居た場所から大きく横に瞬間移動した。
「・・・・・コイツ、マジか・・・瞬間移動とか汚くない!?・・・」
———ニヤリ。魔が笑うかのように目玉を笑わせる。
・・・この魔、オレと相性最悪だな。
さて、困った。発遣撃つと瞬間移動で避けられるし、こっちは後がない・・・
「こりゃ、本格的に詰んだかも知れない・・・」
魔は、少しずつ後退していく。
「・・・・最後は、思いっきりぶつかって落とそうって魂胆か・・・」
どう切り抜けるか、フル回転で考える。
・・・ダメだ。この足場とオレの技じゃ、突破出来ない・・
いっそ、一か八かで崖を飛び降りるか・・・
そう考えていた時だった。




