第3章 受験生 優子(2)
「いやです」
自分の大きな声で、目が覚めてしまった。
とても嫌な夢を見た。
「優子さん、大丈夫?」
カーテンごしから声が聞こえる。
「少しでも不安だったら、しばらく一緒にいるから、カーテンを開けて」
大丈夫です、とは言えなかった。先輩の好意に甘えることにした。
先輩は椅子を持ってきて、あたしのベッドの近くに座った。
あたしは、自分の夢を説明した。
不良グループの同級生につかまってしまった。大柄な女の子4人。
二人が、あたしの身体をがんじがらめにかため、口も手足も動かせない。
そして、残りの二人が、あたしの下半身を.....。
目をそらす生徒、「やっぱり」「いやだ」と口にする生徒。
それに近い実体験、あたし、本当にあった。時折フラッシュバックする。
あの時は、すぐに先生が駆けつけてくれた。でも、なぐさめてくれるでもなく。「そりゃ、こんなことになるだろう」って反応。とっても辛かった。あのあと、教室に入るのがこわかった。
そんなことまで、一気に吐き出してしまった。
先輩のお姉さん、とくに優しい言葉をかけてくれるわけでもなく。だまって聞いてくれただけ。
「もう少しだけ、一緒にいてもらって良いですか?」
「添い寝が必要だったら、おばさんの先生を呼ぶけど?」
「...要りませんって」
5分くらい、何を話すでもなく、先輩の近くにいた。だんだん気持ちが落ち着いてきた。
今は、先輩の好意に甘えさせてもらった。こんなできごとが、試験の点数に響くのかどうか、わからない。
それにしても、添い寝って、なんなの。




