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第1章 受験生 和子(2)

 私は、中学校2年生の2学期から、女子の制服で学校に通っていた。先生や同級生からは、からかわれたり注意されたり。でも押し通した。だって、どうしても女子校に進学したかったから。髪型も工夫して、できるだけ女子に見られるようにした。

 女子高はどこも無理よって、先生からも言われた。いくつか志望校を定めて、学校にも直接確認したけど、ほぼ全滅だった。どこかからか、このL高校の話をききつけた。ここだけが、あたしが進学できそうな高校。


 洋服や髪形は女の子だったが、体をいじったり、特別な薬を飲んだりしているわけではない。

 あたしの下半身、男性にしかない部分が残っている。ときどき暴れだす。すごくいや。


 そして今も、ちょっと暴れかけている。普段うけたことがない、女子からの激しいスキンシップ。頭では状況は理解しているけど、体がびっくりしたみたい。きつめの下着で抑えているつもりだけど。


 そのうち、試験官の在校生が立ち上がりながら、誘ってきた「今から一緒に移動するところがあります。そこが第一の試験会場。私たちが案内するね」手を握ってくれた。そのまま手を繋いだまま教室を出て、そのまま一緒に歩いた。


 美術準備室と書かれた教室の前で「ここに関所があるの」笑いながら説明いただいた「ここに試験官の先生が待ってるから、中に入ってね」


 ドアを開け、お姉さんと先生が少し話している中で、私は引き渡された。

 初老の女性の先生。教室の鍵を内側から閉めた。


「ごめんね、鍵を閉めたりして。ちょっとデリケートな試験なので、勘弁してね」

「この部屋、あそこに非常用の仮設トイレがあるでしょ。ちょっとあそこで、用を足して欲しいの」

「健康診断ですか?」

「試験の一環。さっきお水飲んでもらったから、出ると思うんだけど」


 なぜか、カーテンが上の方で括られ、目隠しされない状況になっている。下半身の裸を露出せざるをえない。


 ここでの試験の意図を理解した。多分、....あたし、だめだ。



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