第7章 受験生 真紀(1)
今日は何をするんだろう。他の受験生にも顔を合わせてない。
教室でまっていたら、昨日からの試験官在校生に加え、大学生らしい男女2名がはいってきた。
あいさつのあと、試験官から説明「今日は、ちょっとまじめな、ディスカッションをしますね。こちら、卒業生の実加さん、あと系列学校法人の大学生の颯人さん」
これも試験ですよね。
「もちろん。でも、この発言したらNGとか、論破されたら不合格とか、そんなのはないから。思っていることを正直に話してね。もちろん、話の流れが辛くなりそうだったらやめるから」
「いきなりだけど、今までの生活で、自分が女子でよかったって思ったことって、どんなことがある?」
え、....すいません、すぐには出てこなくて。
「男子のままだったらこれができなかった、でも女子になったらこれができて嬉しかった、そんなことがあるんでしょ?」
えっと....ごめんなさい。どちらかというと「女子になること」自体が、嬉しかった、または自分には自然だった、って感じです。
「じゃあ、真紀ちゃんにとって、女子になるって、どんなこと?お洋服?お化粧?」
えっと....
あたまがぐるぐる回って、ことばがでてこない。
ごめんなさい、ちょっと頭がいっぱいになっちゃって。
「そういうことならば、少し話を変えましょうか。男子だったら経験できなかったこと・行けなかった場所で、今だったら経験していること・行けている場所って、どこかありますか?」
えっと、洋服売り場とか、台所とか、....
「それって、男子にできないことになるっけ?」
どうしよう、次の言葉が全く出てこない。緊張してるのかな、あたし。




