第7章 受験生 真紀(2)
「ごめんなさいね。答えにくい質問だったかもね。真紀ちゃんが女子である背景を、自分でどのくらい説明できるのかなって思ったんだけど。そう聞かれたら、どう答える?」
心が女の子だからです。
「心って?」
こまってしまい、身体が固まった。
「ちょっと話が詰まっちゃったかな。もう一度最初と同じ質問するね。女子でよかったって感じたことってある?」
周りの女子と同じ空間にいる、それだけで、なんだかほっとするんです。
「その女子は、あなたと一緒にいて、ほっとできている?」
気付いたら目から涙がでていた。そして気付いた。これまでもこんなセリフ、あちこちからもらってたんだ。まるで詰問のように。
そして今も。優しく質問されてるけど、中身は同じ。ここでも...。
「あ、ちょっと質問を中止しましょう。真紀ちゃんの気持ちが落ち着かなくなっているみたい...先輩たち、ゴメンナサイ、少し席を外してもらっていいですか?」
しばらく、試験官のお姉さん一人と、二人っきりで、静かな教室にいた。
ごめんなさい、あたし、不合格ですよね。いただいた質問に、全然きちんとこたえられてませんよね。
「そんなことはないから安心して。さっきも言ったけど、校内ではこういうやりとりは行わないように、学校が強く指導している。でも学校の外は必ずしもそうじゃない。学校の中でも、完全に守られるわけではない。そういう環境に慣れていてほしかったなという思いはあるんだけど。あと、真紀ちゃんが、自分の意見をどんな風に言う子なのか、それも見たくって」
落ち着いた後、休憩を挟んで、試験のテーマが少し変わった。推しのタレントがテーマになった。次第に笑顔を戻せた。あたしの推しっていったら断然ミヤシタヒロジ。思いっきり語った。オタク女子じゃんって笑われた。




