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【完結】無能と罵られ最強ガイドに支配されていた「ミュート」の令嬢ですが、真の力が覚醒して逆転しました。~傲慢な俺様公爵と執着心溢れるヤンデレ騎士が私の「愛の下僕」として溺愛してくるなんて聞いてません~  作者: ましろゆきな
第七章:【後日譚】女王陛下と二人の騎士の、騒がしき幸福論 

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第二十八話:後日譚3 一日の終り

「ははは……誠にお強いようですな」


 要人は引きつった笑みを浮かべ、ハンカチで額の脂汗を拭った。襲撃者よりも、私の後ろに控える二人の騎士(魔王)の方がよほど恐ろしいのだろう。


「お騒がせして申し訳ありません。さあ、参りましょう」


 私が優雅に微笑んで促すと、要人は何度も頷き、逃げるように会場へと急いだ。


 その後、会談は何事もなく終了した。……というより、会場の外でS級の威圧感を放ち続けるカイルとシオンのせいで、不穏な動きをしようとする者が一人もいなかったと言うべきか。


 ◇


 そして、夜。

 任務を終え、屋敷に戻った私たちは、最も安らぐ場所――三人共用の寝室にいた。


「なぁ、今日の俺、最高にかっこよかっただろ? あの炎の制御、完璧だったよな!」


「何を言っているのですか。私の氷結魔法の方がスマートで無駄がありませんでしたよ。リオナ様、私の剣捌き、見ていてくださいましたか?」


 ベッドの上でも、二人の小競り合いは続いていた。

 カイルが私の右腕に頬ずりすれば、シオンが私の左手を両手で包み込んで対抗する。

 外では最強のS級ガイドたちが、ここではただの構ってちゃんだ。


「俺が右側で寝るんだよ! 今日は俺の番だろ!」


「昨日も貴方でしたよ、カイル。今日は私がリオナ様の鼓動を一番近くで聞く権利があります」


 右だ左だと騒ぐ二人に、私は小さく息を吐いた。

 任務の疲れもあるだろうに、私に関しては底なしの体力を発揮する彼らには呆れるばかりだ。

 けれど、そんな騒がしさこそが、私の幸せな日常なのだ。


「……二人とも」


 私が少しだけ声を低くすると、二人は弾かれたように口を噤み、私を見た。


「任務、お疲れ様。二人とも、とても素敵だったわ」


 私が微笑むと、カイルの顔が赤くなり、シオンが嬉しそうに目を細める。


「だから……もう、静かにしなさい」


 私はベッドの中央に身を沈め、両手を広げた。


「……こっちにいらっしゃい。今日は二人とも、私が可愛がってあげる」


 その言葉は、どんな魔法よりも劇的に効いた。

 二人のS級ガイドは、瞬時に忠実な愛犬(と狼)の顔になり、競い合うように、けれど私の体を気遣うように優しく、その身を寄せてきたのだった。

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