第二十五話:女王の凱旋(本編完結)
王宮の大広間。
シャンデリアが煌めき、列席した貴族や聖護隊員たちの視線が、大階段の頂上に注がれる。
「――S級ガーディアン、リオナ・レヴァント。入場!」
ファンファーレと共に、重厚な扉が開かれる。
そこに現れたのは、純白の礼服を身にまとい、凜とした美しさを放つリオナの姿だった。
かつての怯えていた少女の面影はない。その瞳はエメラルドのように輝き、未来を見据えている。
そして、彼女の両脇には、二人の騎士が寄り添っていた。
右には、プラチナブロンドの髪を輝かせ、誇らしげに胸を張るカイル。
左には、穏やかな琥珀色の瞳で、慈しむようにリオナを見守るシオン。
本来、エスコート役は一人のはずだ。
会場がざわめくが、リオナは気にすることなく、二人にそれぞれの手を預けた。
「……行くわよ、二人とも」
「御意のままに、我が女王(リオナ様)」
三人は、階段をゆっくりと降りていく。
その姿はあまりに堂々としていて、美しく、誰も異議を唱えることなどできなかった。
前代未聞の、二人によるエスコート。それは、リオナが選び取った「新しい絆の形」の宣言でもあった。
階段の下では、マイルズ総隊長が苦笑し、その隣でマダム・ローズが満足げに扇を揺らしている。
「オホホホ。本当に、やってくれるわね。新しい時代の幕開けにふさわしいわ」
リオナたちは、ローズの前で歩みを止める。
S級ガーディアンの証である勲章を受け取るため、リオナは一歩前へ出た。
カイルとシオンは、その後ろで膝をつき、最愛の主へ忠誠を誓う礼をとる。
リオナは振り返り、二人の愛するガイドたちに、そして世界に向けて、最高の笑顔を見せた。
――これは、呪いを祝いに変えた、一人の少女と二人の騎士の物語。




