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第十四話:奪還作戦、突入!

「さあ、主に忠実な犬ども、突撃なさい! 貴方達の力はリオナのためにのみ使いなさい!」


「はっ! 目的地の座標を確定(マーク)。最短ルートを算出、固定」


 リオナ救出の最短ルートが示され、カイルの猪突猛進する方向(ベクトル)は決まった。


「GO!」


 シオンの命令にカイルは弾かれたように飛び出す。


「俺がリオナを救う!」


 純粋な献身と「今度こそ、シオンより先に手柄を!」という競争心でカイルの能力は最高潮に達していた。最高の戦果をこの手に!


「そうです、カイル。貴方の闘争本能がこの作戦の勝利を確実にするのです」


 一本の矢のごとく飛び出したカイルの姿にシオンは静かに告げる。


(これこそが、私の役割――ただ一人の我が女王(リオナ)のために)


 カイルの突進力を戦術と支援でサポートし、「優秀な猟犬」としての役割を果たす。



 その頃、研究施設の最深部。リオナ・レヴァントは拘束具に繋がれた台座の上で、苦痛に顔を歪ませていた。


 彼女の体からは、安定しているはずの力の波動が、無理やり装置へと吸い上げられ、異常なほど増幅されている。


「……いや……私の力で……誰も支配させない……っ!」


 敵リーダー、ルーク・カイラスは満足げに装置を調整する。


「無駄な抵抗だ、リオナ・レヴァント。貴女のS級能力は既に臨界点だ。覚醒後の支配は容易い。これで私は神に並ぶ力を手に入れる!」


「カイラス様! 外部から波動が! 破壊的です! 一瞬で外壁が吹き飛びました! まるで統制の取れていない、狂った弾丸のような速さです!」


「カイル・ブランドンか!? なぜ奴が、これほどの統制された破壊力を……!?」


 施設全体を揺るがす轟音と、猛烈な破壊波動が轟く。


 リオナは、苦痛の中、その波動を感じ取り、微かに安堵と苛立ちを覚える。


「……カイル……相変わらず、乱暴なんだから……」


 しかし、その「愛憎の混じった激しい波動」が、リオナの魂に「必ず救い出すという強烈な意志を伝え、敵の精神支配を一時的に揺るがした。


「ぐっ! リオナの抵抗が強まった! 早くしろ! 儀式を加速させろ! 支配を急ぐんだ!」


 儀式は最終段階へ。リオナの命と魂をかけた、守り手(ガーディアン)の狂騒曲が始まった。



 激しい破壊の音と、カイルが敵を蹴散らす轟音が響き渡る中、ローズとシオンは冷静に進む。


「ユリシーズ。カイルの開けたルートを清浄な精霊力で満たしなさい。敵の仕掛けた精神結界を全て焼き払うのよ」


「承知いたしました、ローズ様! 私の魂の全てを捧げ、リオナ様の聖域への道筋を作ります!」


 ユリシーズの清浄な波動がカイルの破壊の跡を通り、敵のトラップを次々と無効化していく。


「ローズ様、カイル隊長の波動がB-3セクターで一時的に乱れました。敵の抵抗部隊と接触した模様です」


「うふふ、気にする必要はないわ。駄犬(カイル)の役割よ。シオン、貴方はルートを確保しなさい。私は敵のリーダーの魔力波動の核を探る。リオナに最も近い場所ね」


 ローズの冷徹な指示と、シオンの冷静なナビゲート。そして、カイルの狂信的な突進。完璧な連携で、救出チームはリオナの元へと突き進んだ。

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