↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
犬上家と愉快なオトモタチ  作者: 黛ちまた
神成り様の武者修行

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
25/28

守護霊

「そういえばさ」

『なんだ』

「少し前から母さんのそばに鬼みたいのが見えるんだけどさ……気のせい?」

『そなたの母御(ははご)を守護する者は鬼だ』

「守護霊が鬼とかありなの!?」

『鯉の姿をしたものなどもおる』


 鯉!! 陸地にいて平気なのか!?

 なんとなくご先祖様が守ってくれてるんだと思ってた。犬上家の犬神はご先祖様だって話だし。

 いや、待てよ? オレ達犬上家の血を引いてる人間には犬の姿をしたご先祖様がついてるんだよな。


「なんで鬼が母さんのこと守ってんだろ?」

『鬼神と縁がある血筋なのであろう』

「そんなのあるんだ」


 十四才になった時には見えてなかったよな。神さまが光の玉じゃなく、姿が見えるようになってから、母さんの守護霊が見えるようになった。


「もしかして、鬼っていうより鬼神なのか?」

『そうだ』


 鬼神に守護される一族もちょっとすごい。


『そなたの母御は霊を見たいようだが、守護する者があれだけ強ければ見えまい』

「守護霊が強いから見えるのかと思ってた」


 逆なんだ。

 それから母さんが見たいのは霊じゃなくて犬神だと思う。


『守護する者が強いからこそ見えることもあろうが、より上位者となれば守られて見えないこともある』

「ほーん」


 よく聞くけど、守護霊って、守護してくれるんだよな?

 犬神達がオレ達を守ってくれてるみたいに。


「守護霊って、文字通り守護してくれるんだよな」

『霊から守護するだけではない』

「え、そうなの?」

『傍らにて、道を違わぬようにするのだが、中には様々な経験をさせようとする者もおる』

「様々な経験って……」

『敢えて苦難を用意するのだ。そういった境遇を克服することで成長すると考えているようでな』

「成長すんの?」

『苦難にもよろうが、心に傷を負う者もいる』


 親の心子知らずって奴なのかもしんないけど、誰もがみんな強いわけじゃないし、災難ばっかり降りかかったら、何も知らない本人は嫌になるんじゃないのか?


「ところでハクジは?」

『我が何もせんでも巻き込まれるのだがな。不足なら足すが?』

「いえ! 結構です!」


 あっぶね!

 この前も迂闊なこと言ったばっかなのに、またしてもやらかすとこだった!


「そうだ、昴なんだけどさ、昴には守護霊いなくない?」

『うむ』

「いないってこと?」

『いや、ちょうど代替わりなのであろう。なんぞあったか、空白期間ができてしまったのだろう』

「そんなことあるんだ」

『今は飯綱もおるから守護霊が暫し不在でも問題あるまいが、あまり良いことではない』


 それはそうだよなー。

 レラちゃんがいて良かったけど。


『ふむ……確かに遅いな』

「え、なにが?」

『飯綱の主の守護者よ。前(さき)の守護者がいなくなってから半年は経つ。さすがにおかしいと思うてな』

「あ、やめて」

『なんだ』

「フラグ立ちそうだから」


 いやむしろ、オレのこの発言のほうがフラグ立てちゃったかも?




「オレの守護霊?」

「うん」


 翌日、昴に守護霊のことを話してみた。


「少し前までいたんだけど、今はいないんだよね」


 昴ってば見える人だからなぁ。自分の守護霊が見えてたんだ。


「守護霊がどうかした?」

「母さんの守護霊が鬼でさ、ハクジが鬼神と縁のある血筋だろうって話から、昴の守護霊の話になったんだよ」

「あぁ、おばさんの守護霊の鬼、強そうだよね。鬼神だったんだ。どうりで」

「なー」

「青森に良い鬼を祀る神社があるんだけど。おばさんの実家、青森じゃなかった?」

「そうかも」


 鬼を祀る神社があるんだ。知らなかった。


「家族の守護霊見た?」

「うちの父さんの守護霊は戦国時代の武士で、兄キの守護霊は金色のふわふわした毛の猫っていうか虎、かな」

「へーっ、守護霊ってマジ色々なんだな。昴の前の守護霊はどんなんだった?」


 さすが光属性の春樹兄の守護霊。色が金色。今度会ったら見えるかな。

 おじさんとおばさんとはほとんど顔を合わせないしなぁ。


「オレの前の守護霊は、バナナの着ぐるみを着たオッサンだった」

「なんでバナナ?」

「知らんけど、そうだった」


 昴はこんな冗談を言う奴ではないから、本当にそうだつたんだろう。


「……普通の見た目がいいな。ってか、守護霊ってあんま意識したことなかったな」

「それはさ、これだけ霊に囲まれていれば、どれが守護霊で、どれが取り憑いてるのか分からなかったんじゃないかな」

「あーね」


 母さんの守護霊が見えなかったのは、霊じゃなく鬼神だったから。昴の守護霊が見えなかったのは、誕生日前にいなくなっちゃったから。春樹兄の守護霊ももしかしたら凄い存在なのかも。

 ルカは自身が神さまだから守護霊いるわけないし。オレの守護霊はハクジだし。


 それにしても、教室でよく見る霊だと思ったら守護霊だったのか……。そりゃよく見るはずだ。ずっと守ってるんだから。


「守護霊によっては、トラブル呼び込んで特訓させたりするらしいよ」


 昴が「言い方」と言って苦笑いする。


「だってさ、トラブルなんて嫌じゃん」

「まぁね。でも中には刺激がほしいなんて人もいるのかもよ?」

「すぐに後悔するに決まってるって」


 十四になってから、何かと色々あるオレとしては、平和が一番なんだぞって声を大にして言いたい。

 守護霊に守られてるから平和なのに。そんな迂闊なこと言ってオレのようにフラグ立っても知らないぞ!


「そういえば今日、兄キが帰ってくるんだよ」

「え、なんかトラブル?」

「かもね」

「かもねって、随分冷静だなぁ」

「あの兄の弟を長くやってるから、慣れたよ」


 説得力すごいな。


「それで、悠里にも会いたいって」

「え、絶対トラブルじゃん」

「よろしくね」

「ちょ、昴」

『ヨロシク、ゆーりくん』


 レラちゃんにまでお願いされてしまった……。

 えぇー、なんか既に嫌な予感がするんですけどー!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。