67話 一週間後なら会わせてあげるよ?
それから1週間後の朝早く、俺たちの家の郵便受けに、金箔押しが施された豪華な招待状が届いていた。
「なっ……! これ!?」
「『???と舞香 披露宴並びに結婚式のご案内』……!? どういうことだ、葛西に連絡する!」
俺が驚愕で目を見張っていた頃——王城家では
**【王城家視点】**
「お兄さま……? お見合い相手の方はいずこにおられますの……?」
控室で、舞香は視界を遮る目隠し越しに不安げに尋ねた。
「……? ああ、まだ少し待ってくれ。それと、僕が良いと言うまで絶対に目隠しを取るんじゃないぞ」
「はい……お兄さま」
着付け係の手によって、何も知らないまま服を着替えさせられていく。
触感からして、普段のパーティーで着るようなドレスのようだった。
「さて……そろそろ行こうか」
「はい……。あの、お兄さま、まだ目隠しをとってはいけませんか?」
「愚妹、何度も同じことを言わせるな」
「っ……すみません、お兄さま……」
お兄さまの命令に逆らえば、また何を言われるか分からない。
成彦に腕を引かれ、重厚な絨毯の上を歩かされる。
静かな応接室か何かを思い浮かべていた舞香だったが、扉が開いた瞬間、妙にだだっ広く、ざわざわとした大勢の人の話し声が耳に届いた。
「ほら、もう取っていいぞ」
「はい……」
目隠しが外され、眩しい光が視界に飛び込んでくる。
ふと自分の体を見下ろした舞香は、息を呑み、血の気が引いていくのを感じた。
純白のレースとシルクに包まれた——完璧なウェディングドレス姿。
「ッッッ……お兄さま!? これ、これは一体どういうことですの……!?」
「結婚おめでとう、舞香」
「け、結婚!? お見合いではありませんでしたの……!?」
「? ああ、言ってなかったか? 今日が挙式本番だよ。もう招待客も集まっている、引き返せるわけがないだろう?」
「ッッッ……!!」
成彦は嘲笑を浮かべ、舞香の背中を強引に前へと押し出した。
「ほら、行きなさい。新郎がもうヴァージンロードの先で待っているぞ?」
騙された絶望と、抗えない実家の圧力。
舞香の美しい青い瞳からスーッと光が消え去り、まるで魂を抜かれた人形のように、重い足取りで一歩、また一歩と真っ白なバージンロードを歩み始めてしまうのだった。




