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61話 いざ、本ダンジョンへ!

ダンジョンの受付ロビーは、早朝にもかかわらず攻略へ向かう冒険者たちの熱気で満ちていた。


「よう、葛西」


「おっ! 来たな? おはようだ、西条!」


人の波を押し分けて進むと、腰に長槍を携えた直哉が大きな手を振って出迎えてくれた。周囲を見渡すが、もう一人の姿がない。


「王城は?」


「知らん」


「そうか……なら、あいつが来る前に受付を済ませておこう」


俺たちはギルドの受付窓口へと向かった。窓口の職員に冒険者証を提示すると、テキパキとした手つきで手続きが進められていく。


「西条様、葛西様ですね。お二人とも初心者講習および初心者ダンジョンの踏破を確認いたしました。本ダンジョンへの立ち入りを許可します」


職員は書類にスタンプを押し、笑顔でこちらに注意事項の記載された資料を差し出した。


「本ダンジョンは階層ごとに魔物の強さが跳ね上がります。お二人の現在のランクと講習実績から、安全が保証されるのは15層までとなります。一般的にDランク冒険者なら、装備と経験次第で攻略可能です。ただし、学生の方は学園から指示された範囲を優先してくださいね?」


「そうですか。ありがとうございます」


制限の10層よりも少し広い行動範囲を提示され、俺と直哉が頷き合っていると、背後からカツカツと優雅な靴音が近づいてきた。


「待たせましたわね?」


そこにいたのは、しっかりと戦闘用の装備を整え、金髪ツインテールを誇らしげに揺らした舞香だった。


「王城、遅いぞ?」


「葛西さん! 女の子というのは着替えや準備にいろいろと時間がかかるものですわよ!?」


「そうか? 5分もありゃ支度完了するだろ?」


「……? 一体どこの世界の女性のお話ですの……?」


呆れ果てた顔で頭を抱える舞香に、直哉は心底不思議そうな顔で首をかしげている。


相変わらずの噛み合わないやり取りに、俺は思わず苦笑した。


「さて……これで全員揃ったみたいだな。行くぞ、葛西、王城」


「おう! 任せろ!」


「ええ、行きましょう!」


それぞれ武器の柄に手をかけ、気合を入れ直す。俺たちは期待と緊張を胸に、未知の試練が待つ「本ダンジョン」の入口へと足を踏み入れたのだった。

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