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47話 海、行きましょう!!

「兄さん! 夏休みですね!」


家に着くなり、忍が目をキラキラと輝かせながら俺の前に躍り出てきた。


「そうだな。やっとひと息ついた感じだな」


「海行きましょう!!」


「……?」


唐突すぎる提案に、俺は一瞬フリーズした。


「すまん忍、俺はダンジョンに潜って強くなる使命が——」


「行きませんか……?」


語尾を少し低くし、忍は上目遣いでじっと俺を見つめてくる。


その瞳の奥に一瞬だけ揺らめいた暗い威圧感に、背筋がヒヤリと冷えた。


「……だめだ。今は一刻も早く実力をつけないと」


「兄さん……お願いです。息抜きは絶対に必要ですよ? もしまた……前みたいなことになったら、私……」


そこまで言って、忍は胸元をギュッと握り締め、今にも泣き出しそうな顔で声を震わせた。


死にかけたあのBランクダンジョンでの惨劇。


「……分かった。海、行こう」


「はいっ! ふふ、では早速水着を買いに行きましょうか? 去年の水着、ちょっと『きつく』なっちゃったので!」


一瞬で涙が引っ込み、パァッと満面の笑みを咲かせる忍。


(……しまった、嵌められた)


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