40話 Dランクダンジョンの正体
「葛西! 王城!」
跳ね起きるように身体を起こし、隣のベッドへ視線を向ける。
「落ち着いて〜、みんな元気だよ〜? ぎゅ〜っ」
「んぐっ……!? せ、先輩、やめてください……!」
陽向先輩が目を覚ましたばかりの俺を抱きしめ、豊満な胸に顔が埋もれる。
「あっ、ごめんね〜? 無事で嬉しくて〜」
「起きたかしら?」
先生が白衣のポケットに手を突っ込み、気怠げな足取りでベッド脇へと歩み寄ってきた。
「はい……。あの、先生たちはどうしてあんな場所に?」
「陽向がね? 貴方たちがあそこにいるって教えてくれたのよ」
「う〜ん、しの……じゃなくて、後輩くんたちがあんな危険なダンジョンに入っていくのを見かけちゃって、ビックリしたよ〜」
言葉を濁した陽向先輩の様子に少し引っかかりつつも、俺は首をかしげた。
「そうだったんですか……」
「うん! そうだよ〜?」
「……それにしても、どうしてあのダンジョンを選んだの?」
「それは……私が悪いんですわ……っ」
隣のカーテンが開き、涙目になった舞香が身を起こした。無事だった直哉も静かに息を吐いている。
舞香は震える手で、端末に表示されたダンジョン情報を先生に見せた。
「……これを」
「ふむ。……やっぱりね。これはDランクダンジョンとして登録されているけれど、出てくるモンスターの質がおかしいわ。ランクが意図的に、誰かの手で書き換えられている」
「えっ……!?」
絶句する。先生は冷めた眼光で画面を見つめながら、息を吐く。
「あそこはね……元々Bランクの危険区域よ。貴方たち、よく生きて残ってくれたわね」
「そうか……だから、あんなバカげた化け物ばかりだったのか」




