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2話 Dランククラスの変な奴ら

「おう、お前ここなのか?」


手持ち無沙汰に席へ座っていると、隣の男が気さくに声をかけてきた。


ツーブロックの髪を軽くかき上げ、歯を見せて笑っている。


「そうだな」


「俺は葛西直哉だ! よろしくな!」


「……西条章だ。よろしく」


「へへ、了解だ、章!」


豪快に笑う直哉に苦笑していると、教室の前方から甲高い高飛車な声が響いた。


「あら? 下民が私へのご挨拶を先に済ませず、クラスメイトと雑談など……どのようなおつもりかしら?」


見れば、金髪の少女がこちらを睨みつけている。


だが、直哉はまったく気にした様子もなく俺の机に身を乗り出してきた。


「なぁ! 放課後、さっそくダンジョン行かねえか? 初心者用ならDランクの俺たちでも入れるらしいぜ?」


「本当か。ああ、行こう」


「話をききなさい! あんたたち!!」


完全無視を決め込む俺たちに、金髪の少女が拳を握りしめてプルプルと震えながらズカズカと歩み寄ってきた。


「武器、何にするんだ? 俺は槍の予定だけど」


「俺は刀だな。狭い場所では小太刀を使うつもりだ」


「それいいな! 賢いじゃん!」


「あの……お話を聞いてくれませんか……? 私も、グスン……パーティーに入れてくれませんか……?」


威勢が良かったのは最初だけで、すっかり毒気を抜かれた少女がうるうると瞳を潤ませて訴えかけてくる。


「どうする、西条?」


「面倒事になりそうだからパス」


「というわけでお断りです」


直哉があっさりと手でシッシッと追い払うと、少女はショックで固まり、涙を拭いながら自分の席へと逃げ帰っていった。


ガラリと扉が開き、教壇に全身無数の傷跡が刻まれた強面の男教師が立った。


だるそうに肘をつき、冷ややかな視線で教室を見渡す。


「よーし、お前たち。まずは合格おめでとう。さて、ここはDランククラスだ。分かっていると思うがな? 参加するだけで誰でもなれる、最低ランクの集まりだ」


重苦しい沈黙が落ちる中、先ほどの金髪の少女が立ち直ったのか、再び威勢よく手を挙げた。


「先生、質問あります〜! 私、なんでここに配置されてるんですか? 事前の魔力テストでも絶対にBランク相当だって出てましたよ! 何かの間違いです!」


「ふむ、少々待ちたまえ……あった。……間違いなくDランクだな」


「えっ!? なんでですか! おかしいですって——」


激しい風切り音と共に教師の姿が消え、次の瞬間には少女の目の前に立っていた。


ドツッ!!!


「ガはッ……!? げぼっ、かは……っ!」


腹を深く撃ち抜かれた少女は、泡を吹きながら床に崩れ落ちた。


「これが『Cランク』相当の動きだ。常時、体に魔力を纏って防御すらしていないお前など、実戦ではただの肉塊に過ぎん。……その程度でBランクを自称するな。他に異論のある生徒はいるか?」


教室中が恐怖で凍りつく中、俺は冷静にその動きを頭の中で再生していた。


魔力がないなら、踏み込みや予備動作を完全に視認して回避・カウンターするしかない。現状では到底不可能だが、仇を討つためにはできるようになるしかない。


「よし。今日は特にやることもないからな。各自、好きに過ごすといい」


教師は何事もなかったかのように教壇へ戻り、足を組んで煙草に火をつけた。

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