↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
129/166

115話 壊れた魔力測定器

冷え込みが続く2月のある日。


実技訓練場に集められた俺たちの前で、担任が台座の上に置かれた大きな水晶球を指差した。


「お前たち、今日は定期の魔力測定を行うぞ」


「先生! その測定でめちゃくちゃ良い結果が出たら、上のクラスとかにクラス替えありますか!?」


男子生徒の一人が期待に目を輝かせて尋ねると、担任はきょとんとした顔で首を傾げた。


「…変わらないぞ? このクラスの連中は全員このまま進級だ。……言ってなかったか?」


「「「聞いてない!!!」」」


安定の説明不足に、訓練場中から一斉にブーイングが飛ぶ。


「そうか。ま、とにかく記録は取るからな。ほら、右端の列から順に来い」


「はーい……」


生徒たちが順に水晶球へ手をかざしていく。


「Cランク」


「次、Bランク」


「次、Dランク」


「次——」


「ふふ、わたくしの番ですわ!」


胸を張って前に出た舞香が、自信満々に水晶へと手を添えた。眩い青白い光が訓練場を照らし出す。


「……Aランクだ」


「やりましたわーーっ! 王城家の面目躍如ですわ!」


大喜びする舞香を後目に、測定は淡々と進んでいく。


「次……」


次々とクラスメイトたちが呼ばれ、それぞれの現在地が記録されていく。そして——


「次、西条」


「はい」


「そこに両手を置け」


「はい」


言われた通り、台座の水晶球へ静かに両手を添えた。その瞬間——


ドォォォォォンッッッ!!!


凄まじい衝撃波が訓練場中に広がった。


水晶球が内側から弾け飛び、粉々の破片と白煙が辺りへ舞い散った。


「ッッッ!?」


「うわっ!? なんだ今の爆発!?」


「ゲホッ、ゲホッ……! せ、先生……これ……」


煙を払いながら、俺は粉々になった水晶の破片を見つめて立ち尽くした。


担任も煤だらけの顔で目を丸くしていたが、やがて頭をポリポリと掻いた。


「……すまん、機器の老朽化で壊れたみたいだな」


「じゃあ、俺の測定結果は……」


「予備の測定器を用意するから後日だ、後日」


「……分かりました」


担任は出席簿でパタパタと煙を払いながら、何事もなかったかのように全員を見渡した。


「ま、お前たち全体的に魔力量は成長してるみたいだな。この調子で張れよ。以上、解散!」


周りの生徒たちが「機械壊すとかすげーな」「偶然だろ。先生も老朽化って言ってたし」とざわめく中、俺は自分の手のひらをじっと見つめながら、底知れない違和感に小さく首を傾げるのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。