105話 最下位、その理由はまだ分からない
ダンジョンから無事に帰還し、ギルドの計測ロビーに各クラスの中間スコアが張り出された。
結果を見た瞬間、委員長はあっけらかんとした声を上げた。
「あはは……私たち、最下位ですねー」
「どうしてですのーーーーッ!?」
先ほどまで得意満面だった舞香が、信じられないものを見るような形相で委員長の胸ぐらに掴みかかった。
「ちょ、ちょっと! 襟を掴んで揺らさないでくださーい、王城さん!」
「あんなに魔石を大量に回収して、ボスも一撃で仕留めましたのに! なぜわたくしたちが最下位の補習コースなんですの!?」
ガクガクと激しく揺さぶられながらも、委員長はどこか楽しそうに首をひねる。
「うーん……単なる魔石の量だけじゃなくて、やっぱり個々の連携のスムーズさとか、役割分担のバランスも見られてるんですかね? 今日は私が全体を一括で指揮しちゃいましたから」
「む……確かに、全体指示に頼りきりでしたわね……」
「だから! 明日からはクラス全体じゃなくて、パーティごとの完全ローテーション制にして、各自で自由に動く形にしましょう!」
「それですわ! そうと決まれば、明日からわたくしの本領を発揮して巻き返しますわよ!」
すっかり機嫌を直して拳を握る舞香を見送りながら、葛西が横からひそひそと話しかけてきた。
「なぁ西条、お前どう思う?」
「? さぁな……まだ分からん」
「そっか……」
葛西は腕を組んで考え込んでいたが、俺はわざとらしく首を傾げる委員長の横顔を盗み見ていた。
(本当に『連携不足』が原因なのか……? あの無口な教官といい、裏で何か別の査定基準があるんじゃないか……?)
最下位という結果に焦るクラスメイトたちのざわめきの中、俺は静かに思考を巡らせるのだった。




