↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/166

幕間「坂倉弁や!」

夕闇が濃く落ちる街の路地裏。


自販機の明かりだけがぼんやりと灯る薄暗い場所で、一人の男性が壁に背をもたれかけ、苦笑いを浮かべていた。特務機関の監視役——坂倉である。


そこへ、カツン、カツンと足音を響かせて現れたのは、白衣を纏った静香だった。


「あかんわ、やられてもうた……」


「何が?」


疲れ切った様子で頭を抱える坂倉に、静香は呆れたような視線を向ける。


「式神や! 忍ちゃんの周りに飛ばしとったやつ、影すら残さずに一瞬で消し飛ばされたわ……。ほんま、容赦なさすぎるで」


「そう? ……それより貴方、ここにどうして?」


「? 監視に決まっとうやろ、アホかいな。僕の仕事やで?」


「? まあ、それはいいとして……貴方、怒られるわよ? 貴方、確か出身は関東でしょう?」


「気にしたらあかんで? これは関西弁やのうて『坂倉弁』や。ニュアンスの違いなんやけん」


「最後のはどこの方言よ……」


「知らんけど?」


似非関西弁に別地方の方言まで混ざり始めた怪しいエセ方言に静香は思わず眉をひそめた。


本人はノリで押し通す気満々のようだが、言葉遣いのデタラメさに呆れるしかない。


坂倉はパンパンと服のホコリを払うと、気楽に肩をすくめた。


「さてと、もう行くわ〜。今日は陽向ちゃんもおらんみたいやし」


「ええ。あまり刺激しないようにね」



「分かっとるって。……まだ、な」


「……坂倉?」


「ほな、また〜」


ひらひらと手を振りながら、坂倉は夜の闇へと消えていった。


静香はその背中を冷ややかな目で見送りながら、「次はちゃんとした人員を回してもらうように上層部に掛け合おう」と固く心に誓うのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。