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魔将軍のご主人様になりました  作者: 浦 かすみ


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魔将軍の過去話2

たくさんのブックマーク本当にありがとうございます


やばい……(まぶた)がくっ付いているようです。


開けようと力を入れているのに何か(目ヤニ?)に阻まれて一向に目が開いてくれません。


ぐぬぬ…原因は分かっています。


昨日ヴェル君の過去話を聞いて自分の感情とごちゃ混ぜになってしまい泣きながら眠ってしまったせいです。


酷い八つ当たりです。自分が病気で死んでしまったからとはいえヴェル君に当たるなんて…情けないです。


「ヴェル君に合わせる顔がありません……」


「もう合ってる…」


あまりの衝撃に瞼がビカンッと開きました。声の主はもちろんヴェル君です。


部屋に差し込む朝日の中、椅子に腰掛けながらこちらを見ておられます。まるで後光が差しておられるようです。


ゆっくりと光を纏った天使様は私に近づいて来ました。実際は魔神の子供だけど…


「おはよう、カデちゃん気分はどう?」


「ぼ…ボチボチです」


「…ボチ?…とりあえず起きれそうか?」


私は枕元に座ったヴェル天使の極上の笑みを受けながらヨロヨロと起き上がりました。


そしてヴェル君に向き直ります。


「昨晩は大変失礼致しました。ヴェル君の気持ちも鑑みずに自分の主張ばかりで大変お見苦しくし…」


言い募る私にヴェル君の手が伸びて来ました。そしてあっという間にヴェル君の腕の中に私はいました。


朝から何なのぉぉーー!


「こっちこそごめん…それにもう一つ大変不敬な事をしていた…」


うん?ヴェル君が突然床に片膝をつきました。こ、こ、これはっ!


「カデリーナ=ロクナ=シュテイントハラル王女殿下。知らない事とはいえ王女殿下に大変不躾な態度をしておりました。そしてこれからも信を置き、共に暮らして行けることを(こいねが)います。お許し頂けますか?」


言い終えるとヴェル君は私の右手を持ち指先にソッと口づけを落としました。


ぎゃああああ!!!


全世界(異世界を含む)の乙女達の憧れのシチュエーションの一つっ騎士の礼じゃないですかぁぁぁ!あーヤバイ!この絵てか場面、スクショしたいよーーー永久保存版だよぉぉ!!転生して良かったっ!マジ良かった!!お母さんっあなたの娘は異世界で萌え転がっています!!


朝から憤死状態の私はなんとかよろめく足を動かして朝風呂に入り身綺麗にして居間に戻って来ました。


あれ?アネロゼが居る?


アネロゼの後ろにはロアモンド様と若い護衛の方。


昨日王太子夫妻に付いて来ていた方々じゃありませんか?どういうこと?


「あっ姫様。おはようございます。ようございました、今起こしに行こうかと…」


「アネロゼどうして居るの?」


「あ、それは…」


「昨日、王太子殿下と妃殿下とで揉めたから…」


後から居間に入って来たヴェル君が話し始めました。


「未婚の男女が枕を共にするのは…とかどうとか…妃殿下が俺達を二人きりでこの家に置いておく訳にいかないと…王太子殿下と折衷案を模索した結果こうなった」


なるほどー了解です。アネロゼが冷やしたタオルを持ってきてくれました。


「姫様、これで目を冷やして下さいね」


アネロゼは優しい、いい子ですね。


「私はヴェルヘイム様とカデリーナ様の味方ですからねっ!」


なんじゃいそれは?アネロゼの後ろでポカリ果実水をがぶ飲みしているロアモンド様…イケオジなのだ、がハハハッと笑いながらヴェル君からタオルを受け取っている。


「いやこれは、閣下すみません。いや何、昨日の王太子妃様の剣幕はまるで恋仲の二人を引き裂くような勢いじゃないかと…コレが言い出したのがきっかけでしてね」


コレ、と言って隣で同じくポカリ果実水を飲んでいる若い護衛の方をロアモンド様は指差した。指差された若い護衛の方は顔を赤らめながら話し出しました。


「私はまだ近衛に入隊して一年半ほどですので、正直…魔将軍様と言われても噂などでしか存じ上げません。でも実際にお会いしたヴェルヘイム閣下は物腰は穏やかで、しかし剣を持たれると凛とした闘気と凄まじいまでの魔力でっとにかくお噂のような恐ろしげなものではなくっ私達剣技を修める者達の指針と成るべく、とても犯し難き領域におられる剣聖で在らせられませるとっ!!」


ど…ど…どしたの?コレ?


するとアネロゼがスウゥ…と私の背後にやって来た。


「今朝、お三人で鍛錬をされていたのですが、ヴェルヘイム様の剣技があまりにも凄かったみたいで、すっかり逆上せ上っちゃったのですよ…ロージ様」


なるほど…逆上せた彼はロージ様とおっしゃるのですか。女子のみならず男子までも虜にするとは流石魔性の子。


ヴェル君をチラリと見ると澄ました顔してポカリ果実水を飲んでいる。


「よし…はい。朝ごはんにしますか」


私がそう声を掛けると武人三人は急にソワソワし出しました。お腹空いていたのですね…分かりました。


私は調理を開始しました。


トマトを裏漉ししながら水、お出汁(鶏がら)と共に鍋に流し入れ、香辛料を一掴み。数種類のお野菜を一口大にカット、煮込みます。


今回は『パゲッテーナ』というパスタに似た麺を茹でます。4人分…イヤ6人分にしとこうか。


別の鍋に豚によく似たお肉、モロンの干し肉を投下。


香辛料で味をつけ、牛乳を自分で発酵させたチーズもどきと卵5個を割り入れます。茹で上げたパゲッテーナのカルボナーラもどきの完成です。


次はサラダにしましょうか


生で食べられる葉物野菜を手で千切り、オイル、塩、ニンニク、鷹の爪、バジルっぽい何か…を混ぜてドレッシングを作ります。大皿に盛り野菜に掛けて出来上がり。


アネロゼと一緒にダイニングテーブルに運びます。武人三人はもう着席して待っていますね。


素早いな…はいどーぞ!!


野菜大皿と大盛パスタ。そしてトマトスープ。 


あ、そうだ!ロアモンド様がいるからアレを出そう! 


私はレイゾウハコに入っているプリンを取り出しました。ロアモンド様は甘党なのですよね。


以前にも、うちに遊び来た王太子夫妻にお出ししたカラメルプリンをめっちゃガン見しておられたので、別件でお城にお邪魔した時にマドレーヌとプリンをお渡ししたのがきっかけです。


「ロアモンド様いい時に来られましたね」


と言いながらプリンの器をロアモンド様の前に置くと、破顔されました。


イケオジのスマイルゲットです。ありがとうございます。


もちろん皆様の前にもお一つづつ…アネロゼが「姫様のお菓子よっ!頂いたって自慢しちゃお!」と騒いでいます。可愛いですね。


アネロゼには特別にバナナクッキーをあげましょ…しかしロアモンド様がすごい目で睨んでいますね。

コレが最後の一袋なのです。アネロゼがくれるかどうかは分かりませんが、お願いしてみて下さいな。


とりあえず、ロアモンド様に渡せるだけのお菓子を差し上げて、アネロゼには試作品の『リップグロ』グロスですね、を渡しました。


これもまた渡した途端に「姫様印のお化粧品しかも非売品よぉ~」と玄関先で踊り出してしまったのは困りましたが…


ロージ様は


「是非騎士団の演習場に来て下さいっもう一度剣技をっ!」


とヴェル君に熱く絡まれています。


ヴェル君、騎士の礼をロージ様にもして差し上げたら?泣いて喜ぶと思いますよ。そんなロージ様にはさっぱりした使い心地のミント石鹸を差し上げました。


「これで男を磨いて女子にモテろよ!」


と言うと何故か泣いておりました。どしたの?ロージ様。


やっと嵐が去りました…


本当に昨日は朝からヴェル君保護を皮切りに怒涛の忙しさでありました。三人を見送りつつ隣に立つヴェル君を見上げました。


「ヴェル君…私あなたを檻の中から連れ出してよかったのでしょうか?」


ヴェル君は目を丸くしています。そしてこぼれるような笑顔を向けてくれました。


「その答えは…これから分かるのではないか?」


はいそうですね!これからですよね!とりあえずは…


「ヴェル君、お買い物行きましょうか!」

次回はヴェル君視点で一息入れたいと思います。

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