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ぺんぎん・らいふ  作者: 朝野りょう
ぺんぎん・らいふ+(プラス)

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6.みんなでお茶を(10)

 キタミは鞄の中からマイボトル(元ドレッシング用容器)を取り出し、グレープフルーツジュースを入れた。

 私に飲ませてくれるためだ。

 何という……。

 

 キタミのあまりの準備の良さに驚いた。

 男子高生の鞄にそんなものが納められていることに驚愕だ。

 

 私にとっては非常に有難いことなのだが。

 男子高校生としては、終わっている。

 イケメンなのに。

 

 差し出されたボトルから私がキュウキュウとジュースを飲んでいると、八坂さんが口を開いた。

 

「ペンギンなのに喋ると米田さんの声だから、何か不思議な感じ。その体で食べても味がわかるの?」

 

 ケーキを食べたことで八坂さんはすっかり落ち着いていた。

 ちょっと前のピリピリした雰囲気はどこかに消えている。テーブルは和やかな空気だった。

 

「うん。味覚は人のままみたい。生魚は食べられなかったから」

「へえー、そうなんだ」

 

 もしかしたら美味しいスイーツを食べると八坂さんは丸くなるのだろうか。

 美味しいスイーツで幸せな気分になれば、彼女に限らずそうなる場合は多いだろう。

 だから、ここなのか、黒沢!

 

 ちょっとだけ黒沢を見直した。

 

「その姿にはよく同調してるの? 北見くん、慣れてるみたいよね?」

「うん。この疑似体でいると記憶力がすごくよくてね。だからこの格好で勉強してる。実際、テストの点も目に見えて上がったから違いは大きいと思う」

 

「動くの難しくないの?」

「腕の動きとか違うから、立ったり走ったりするのはすぐには無理だったけど、今はもうばっちり」

 

「同調っていうの? それ、北見くんのフレンドだから、できるの?」

「最初はあの小学生が何かしたから、キタミの疑似体に同調しちゃって。事故みたいなものかな。でも同調するのはフレンド登録とは別に管理局の許可がいるみたい。ね、キタミ?」

 

「本来はフレンド登録してないと同調は許可されない。佐保の場合は事故で同調してしまったから同調の方が先に許可が下りたんだ」

「黒沢くんも疑似体を持ってるの?」

 

 八坂さんが黒沢に話を振った。

 黒沢は現地生物の同調には興味なかったような。

 

「持ってないよ。俺は疑似体に同調して他の現地生物との関係を築く気はない。現地生物を疑似体に同調させるつもりもないしな」

 

 黒沢は現地生物の同調だけでなく、自分が同調することにも興味がないのか。

 それはキタミと違って人間(現地生物)との関係を築けるからなのだろう。

 

「米田さんは……その、疑似体に同調できるから、フレンド登録したの?」


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