表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
てきとー転生英雄譚  作者: 腐れ紳士
じっせんのしょう
55/56

そのじゅうに

「え……? あんたがフェルナンド……? でも名前……」

「ああ、人間の感覚だと男っぽく聞こえるらしいわね。私たちエルフにとっては普通の女名なのだけれども」


 フェルナンドと名乗った少女は背丈は170セメルトほどだろうか。帝研の一員である証である朱色のローブを纏い、禁止の髪と笹の葉を思わせる長い耳を持つ美少女である。人間なら大人の男と比べて遜色ない身長でありながら、幼さを感じさせる顔つき。

 なるほど、これが種族差というものか。エルフを見るのは初めてだが、森の妖精といわれるにふさわしい美貌である。

 帝研のローブは階位によってその色が定められている。帝国の法によって帝研以外のものがその色のローブを着ることは許されていないのだ。……尤も、法と慣習を混ぜると、ほぼ全てのローブがそんな感じになっているのだが。

 帝研のローブは下級魔法使いが朱色、上級魔術師が紅色(べにいろ)、そして筆頭魔術師が赤、と定められている。つまり、彼女は帝研の中では下っ端ということになる。顔つきも幼いし、まだ見習いなのかもしれない。下手をすれば未成年か。


「えっと、君? 私の話聞いてる?」


 はっ! ちょっと見とれていたらしい。ぜんぜん返事してなかった。


「あ、ああ。ちょっと見とれてたけど大丈夫。話は聞いてる。よろしく、フェルナンドさん」

「フェルでいいわ。資料には15ってあったから私のほうが年上だけど別に上官でもないし。あなたのことはウィルでいいかしら?」

「え゛? 年上って……いくつだよ」

「23よ。ま、エルフの中じゃまだまだ子ども扱いなんだけどね。おかげで故郷じゃ未熟者扱い、人間の世界ならって思って出てきたけど、いくら種族が違うからっていっても1年やそこらで出世できるほど甘い世界じゃなかったわ」


 23……み、見えねえええええ!


「さ、さすが寿命千年の種族。……あれ? 千年生きるなら23って比率的に赤ん坊並み?」

「そこまでひどくはないわ。千年生きるって言っても実際にそこまで生きる人は少ないのよ。100年かそこらで病死や事故死する人がほとんどなの。

 ま、エルフは25から30くらいで成人って所かな。早熟だと二十歳くらいでそう扱われるけど。人間でいうおじさんおばさんになるのは300過ぎくらいからだから人間の感覚だと薄命に写るかもね」


 ……確かに。病気や事故で死ぬ確立が毎年1%あるとして、100年も経てば生存率は4割未満だ。300年も生きるエルフなんてほんの数%ということか。


「さ、それじゃあ早速山賊退治に行きましょ。うわさは聞いてるわ、頼りにしてるからね、オーガ退治の英雄さん?」


 そうフェルは言って俺の腕にからみついてきた。年下をからかっているのか、エルフ的に子供だからなのかはわからないが、これだけの美人にそんなことをされると、こちらとしてはどう反応すればいいのかわからず、彼女に振り回されるままであった。

 ……腕に当たる柔らかい感触があまりに小さかったのは、エルフの種族特性なのか、彼女の個人的資質なのか……興味はあったが、たぶん口にしたら殺されるんだろうなあ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ