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てきとー転生英雄譚  作者: 腐れ紳士
じっせんのしょう
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そのきゅう

 第四帝紀431年白雲の月。前世ならば海開きとなるころだろうか? だんだんと暑くなってきたので、たまには海で泳ぎたくもあるのだが、残念なことに、この国に海水浴の習慣は存在しない。

 というか、ドルメキア帝国って内陸の国だから、泳ぐなら河とか湖だし。

 ゴブリン退治の事件から4か月が過ぎ、その間は大きな事件もなく、訓練を中心とした生活が続いている。むろん俺は下っ端なので、試験の折に目標建てしたシリー中隊長と勝負、などということは許されない。本人はいつでも稽古をつけてやる、と言っていたが、周りが許してくれないのだ。残念。

 じゃあベンノにリベンジでも、とも思うのだが、向こうは一度勝ったからもう相手する価値はない、と言わんばかりにこちらと顔を合わせていないので、これもやはり無理。まあ、いつかのことを思い出して「そういえば貴様の妹はなかなかの美人だったな。餓鬼でも女として役に立つか試してやろう」などと言われても困るので、しょうがないか。


 そんなある日。下っ端の俺は、連日のように雑用に使われていた。

 荷物運びやお偉いさんのサインが必要な書類の移動。果ては親の付き添いで登場している貴族のお嬢さんのために果物を用意したり。どこが騎士だ。

 ……でも、平民でしかない一般兵や使用人がやると、権威を馬鹿にするのかー、って怒るんだよな、お偉いさん。もうだめだ、この国。


「ウィリアムよくきたー!」

「よくきたー!」


 今日も今日とて果物が山と積まれた籠を抱え部屋に入る。そこには下は三歳から上は十歳位までの子供達。言うまでもなく貴族のお子ちゃま方である。

 この集団の中心は皇帝陛下の実の娘、第八帝位継承者であらせられるエヴァンゼリン・ディ・ドルメキア様御歳6歳である。ここは彼女の遊戯室であり、未来の女帝……にはさすがにならないだろうが、皇帝陛下の愛娘であり、未来の皇帝陛下の可愛い妹君になることが疑い得ないため、多くの貴族が良い縁を結ばんと、彼女の遊び友達としてわが子を送り出しているというわけだ。運がよければ10年後くらいには政略結婚できるしな。

 もちろん、皇帝陛下の子供は彼女一人ではなく、もっと妙齢の人もいるわけで。同じ騎士団でありながら、ベンノのような門閥貴族出身の連中は、なんだかんだと理由をつけて、そっちの接待役を引き受けている。……俺が子供のお守りをさせられているのは、まあ、そのとばっちりというか、外れくじを押し付けさせられたということか。

 とはいえ、実はエヴァンゼリン殿下とは多少の縁がある。その縁もあり、どうにもこのお子様お姫様に気に入られたのか、たまにご指名がかかることもあるのだ。ちなみに今果物持ってきたのもそのせい。

 同僚は、うらやましいだの玉の輿だの、果てはロリコン呼ばわりなどしてくれるが、間違ってもそんなことはない。そりゃ9歳差なんて10年後にはたいした差じゃなくなるけどさ(この世界基準では)。つうかうらやましいなら代われというのだ!


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