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てきとー転生英雄譚  作者: 腐れ紳士
じっせんのしょう
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そのぜろ

 ここから第3章です。

 騎士団に入り、早1か月が経った。俺はシリー中隊長旗下のアルノー・デア・フィンケ小隊長率いる第3小隊に配属された。

 我が小隊の隊長であるフィンケ氏は士爵で、彼もまた平民から成り上がった口である。とはいえ、この先彼が中隊長に昇進することはないだろう。というのも、中隊長から上になるためには、子爵位以上の地位を持っていることが必須条件となるためだ。

 正確に言うと、国の文武要職に就くものは最低でも子爵位を与えられるのだが、爵位には貴族年金が付く兼ね合いもあり、基本的に士爵以外新たに設けられることはないし、昇爵など皇帝一代の間に5件もないのが慣例だ。

 そのため、爵位の低いものが上に登ろうとするのであれば、すでにある名門貴族の養子となり、その家を継ぐ以外に道はない。

 しかし、実際問題として、子供が本妻、側室合わせて女しかいない家は少ない。子息を軍に入れていれば戦死の可能性もあるが、基本貴族は特権を使って前線に出るのを避けるものだ。さらに、運よくそんな家があったとして、当然他の貴族が自分ちの次男三男をそこに送り込もうとする。

 これらをすべて排して後釜に座るのは、まず無理なのだ。例外がないわけではないが、ほとんど物語の産物である。

 さらにこのフィンケ隊長、すでに60を超える爺さんで、40年以上軍に奉公した、ということでお情け半分で小隊長にしていただいた、という経歴の持ち主。どちらかというと前線での戦力として有望だったわけではなく、後輩の育成や備品管理などが優れていたため、後方支援などの任務を着実にこなしていた、という手合いだったらしい。

 小隊長に抜擢されたのも、最前線での活躍ではなく、新兵の育成を任されての事らしい。騎士団には、有事の際通常の兵士たちを軍から借り受け、指揮する権限があるが、我が第3小隊はこの権限をフルに活用し、兵士たちの新兵も集め、総勢数十人からの大規模新兵訓練を行っている、というわけだ。

 余談だが、ベンノを筆頭とするお貴族様騎士はこの部隊にはいない。親の権限を使い、ほとんどの者は予備役となり、ベンノは特別扱いで第1小隊へと配属されたらしい。そのため、新米騎士とはいえ、この小隊にいるのは俺の他には同じく新米騎士が1人。平民出身であまり腕がよくないとされた先輩騎士が8人合わせて小隊長以下11名という構成である。

 まあ、フィンケ隊長の訓練はごく普通に厳しいんだけどな。素人が手を出したら3日で過労死するのではなかろうか?

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