そのじゅうに
「と、言うわけでお前は見事騎士団入団試験に合格だ。おめでとう」
「いや……ありがたいですけど何が“というわけ”なんですか?」
合格発表の日、結果を聞きに来た俺に朗らかに合格を伝えたのはシリー中隊長であった。だからなんであなたなんだ。どう考えても俺みたいな下っ端に中隊長なんて大物が関わってくる理由がないだろ。
この世界、階級がとても大ざっぱで、しかも騎士団の人数なんて少ないから誤解されがちだが、新米騎士を新任少尉とするなら、中隊長は軽く少将級である。騎士団長は大将から元帥か。まごうことなき雲上人なのだ。
「そこまはあ、様式美というやつだ。気にするなマイスター新任騎士よ」
「承知いたしました、シリー閣下」
さすがに正式に合格通知をもらった以上、この瞬間から中隊長は上官なので、礼儀には気を遣う。堅物ではないようだが、礼儀にむとんちゃくという保証もないしな。
「さて。では真面目な話をしよう。マイスター新任騎士の叙任式が明後日皇宮にて行われる。式典の場は白銀の間、時間は休息の刻だ。遅れぬようにしたまえ。
服装に関しては、先日の礼儀作法の折に来ていたもので構わない。ただし、式典は皇帝陛下が執り行うしきたりだ。マイスター卿一人のためだけの式典ではないが、卿も主役の一人。くれぐれも失礼の内容、念入りに準備をしておくように」
って、皇帝陛下が叙任式執り行うのか!
……いや。考えてみたら、騎士の叙任式なんてそんなもんか。王様が騎士の肩に剣を当てて~っていうやつ。間違っても服を汚していくわけにはいかないな……。
×叙勲式
○叙任式
致命的に勘違いしてた(笑)




