表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
てきとー転生英雄譚  作者: 腐れ紳士
きしのしょう
37/56

そのじゅう

 ドルメキア帝国には複数の騎士団がある。

 その筆頭は帝国騎士団と呼ばれる組織で、皇帝を頂点とする帝国の軍事組織の一つだ。帝国騎士団の責任者は帝国騎士団長であり、帝国軍の三長官の一つとして軍務大臣、帝国軍総兵司令官と並んで帝国軍人の最高地位となっている。総兵司令官と騎士団長は、実戦の折りには帝国軍将軍の称号を与えられる。軍務大臣は実戦指揮ではなく軍務に関わる政治問題の処理を役目とするので、ちょい性格が違う訳だが。

 他の騎士団とは、神殿や貴族が抱える私設騎士団となる。

 特に神殿が抱えるものは聖騎士団などと呼ばれ、所属する騎士は聖騎士(パラディン)ともてはやされる。彼らは七大神への信仰を第一とし、全員が神の奇跡を使用できる。というか使用できないと入団できない。……下手したら帝国騎士団より強いのでは?

 一方、貴族の私設騎士団は性格が責任者たる貴族によってバラバラだ。領地の治安を維持するために真面目に働く騎士団もあれば、貴族が趣味でやってるごっこ遊びもある。


 その中で俺が受けるのは勿論帝国騎士団だ。貴族から推薦を受けるときに「帝国騎士団に落ちたら推薦者の私設騎士団に入団する」と約束させられる者もいるそうだが、俺はその話は断った。

 だってその約束して受かった奴を親父も知らなかったしな! 大方そいつが手元に欲しいから裏で手を回したんだろう。

 さらに、俺はあの後三家ほどから推薦のオファーを貰っている。やはり優勝者のベンノにギリギリまで押し勝っていたことが評価されたようだ。なので、当然落ちたら~という話は出来ない。代わりに可能な限りどの家にも協力することになるし、俺が功績を挙げれば同時に俺を推薦した彼らの株も上がる、という寸法だ。


 と、いうわけで、ターニア家含む4家の推薦状を持って、騎士団採用試験に向かった。

 採用試験は年に一度しか行われない。なので、もし落ちれば一年間は無職が確定してしまうわけだ。いやまあ、傭兵になるとか冒険者になるって手もあるけど。尤も、傭兵は礼儀もわきまえない野蛮な連中、冒険者にいたっては、そもそも職業と認められておらず、定職にも就けない下賎な何でも屋、というのが社会的評価であり、どちらも山賊予備軍である。なので、きちんと騎士団に合格したいものだ。

 余談だが、国家的危機を解決する、などの大きな功績を挙げた場合、例外的に傭兵や冒険者でも騎士や爵位を与えられることがある、らしい。冒険譚に出てくる成功した冒険者の典型的な例だが、実際にはそんな危機はまず起こらないし、その危機に単身で挑んで無事ですむはずもない。まあ、期待するだけ無理だろう。


「ウィリアム・マイスター……ああ、マイスター卿のご子息か。なるほど、年齢に見合わぬいい体つきをしている。五歳ばかし間違われるのではないか?」


 入団試験を受けたいと告げたところ、対応をしてくれたおっさん騎士がそう言った。騎士団に3人しかいない中隊長の一人らしい。はい、よく間違われます。


「さもありなん。それで、マイスター卿の子息だから言うまでもないが、受験には推薦状が必要だ。見せてもらえるかね? ……む? 4つ? 全て推薦状なのか? ターニア侯爵、リッテンハイム伯爵、デルムリット伯爵、それにロスランベルク伯爵か。

 よくもまあこれだけの推薦状を集められたものだ。期待が持てそうだな」


 正直、我ながらうまく行き過ぎていると思う位たくさん集まったという自負がある。何せ普通は一通、多くて二通だからなあ。一回戦負けの俺がどうしてこうなった。


「さて、推薦状は確かに受け取った。試験は一週間後より始める。準備不足、体調管理不足で失敗すること内容、きっちりと準備をしておくように」


 それは馬上試合(トーナメント)で毒を盛られて体調管理ミスのせいにされた俺に対する嫌味ですか、中隊長さん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ