そのじゅう
13歳になった。
剣と魔法の修行は順調。相変わらず親父からは一本取れないが、《加護》込みで身体能力強化かければいける自信はある。それはそれで負けたみたいで悔しいからやらないけど。
魔法も、ようやく身体能力強化に関してはお袋から免許皆伝を貰い、現在は治癒魔法を習っている。
お袋は大学――正式には帝国魔術師ギルド本部付属組織大魔道大学と言い、この国の魔術師と魔法使いにとっての最高学府であると同時に、2つある最高権威機関の一つであるらしい――に通っていたとは言え、支援魔法が専門で、自分にかける魔法は身体能力強化と治癒位しか使えないらしい。 理由を聞いたら、元々は幼なじみだったらしい親父の役に立ちたくて、だとか。ハイハイ、ゴチソウサマ。
そんなわけでそれしか習えない状況にある。
大学に入ることも考えたが、大学は魔法を学び、魔術を研究する場。表向き「精製炉は極めて優れているが接続路に問題があり自分にしか魔法が使えない」奴は魔法なんて学ばない。無駄の極みだからだ。
未知の《加護》持ちであるから研究する価値はあるが、それを公にすればモルモットか馬車馬である。一応魔法が使えない人も大学で純粋に学問を学ぶことがあるらしい。修了者は賢者と呼ばれる為、大学は賢者の学院とも呼ばれる。
尤も、賢者見習いとして大学に通っても魔法は学べないし、賢者を目指すのは貴族の箔付けか、文官狙いの資格扱いである。うちは箔付けが必要な門閥貴族じゃないし、文官に成る気もない。男なら武官として成り上がるべきだ、うん。
魔法の修行はやや微妙ではあるが、《加護》を前提とすれば、数倍まで行ける身体能力強化や、それなりの重傷でも短い時間で治せるであろう治癒魔法――但し、《加護》の恩恵を行使しない場合、せいぜい擦り傷程度の継承しか碌に治せない――は、かなり役に立つ、はずだ。
無論、もともとの身体能力が高い方が効率がいいのは言うまでもない。10の力を倍にしても10しか増えないが、15の力を倍にすれば増える量は15になるのだから。
以上のような理由で、今日も剣と魔法、そして体作りに余念がない。……とはいえ、歳の割には少々背が低めなのはちょっと気になる。親父は背が高いし、伸びしろはあると思うんだが……そういえば、前世では子供のころは背が低い方が伸びる、とか、あんまり子供のうちに筋トレしすぎると背が伸びなくなる、とか聞いた気がする。
……よし。筋トレのペース、少し落とそう。




