表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
てきとー転生英雄譚  作者: 腐れ紳士
てんせいのしょう
14/56

そのきゅう

「結論から言うとウィル君の体に異常はないの。健康そのものじゃ」


 大学に連れてこられた俺を診察したネザールさんは、親父達にそう告げた。


「問題はウィル君が過度の身体強化を行い、無事だった点じゃの。おそらくじゃが、《加護》を受けて生まれたのじゃろう」


 おそらくと言うより他には考えられない、とネザールさんは言う。《加護》 ってなんぞ。


「《加護》と言うのはの。ごく一部の人が、生まれたときから持っている不思議な力じゃよ。

 それは魔法のようで魔法ではない。本人の意思とは関係なく、常に働く神秘。

 望もうと、鍛え上げようと、初めから持って生まれなかったのなら永遠に持てぬ力じゃ」


 ネザールさんが謳うように告げる。

 にしても、それって選ばれた特殊な力、チートの類か? まさかの勝ち組フラグ!?


「そう……ですね……。他にはありえませんから……。それで、何の加護なんですか?」


 あれ? お袋なんで「別の可能性であって欲しかった」みたいな反応?

 だが、俺の疑問は気付かれることもなく、お袋とネザールさんの会話は進んでいく。


「神性ゆかりの《加護》なら神殿から借りている計器が反応しない筈はないからのう。七大神や他の神々の《加護》ではないの。

 さりとて魔神の《加護》も考えにくい。魔神の《加護》は往々にして外見上の変化も著しいからの。恐らくは《天空の加護》じゃろう」

「そうですか……良かった……。それで、どの星からの……?」

「さすがにそれはわからんよ。既知の星ではないことは間違いないけどの。

 英雄座なら身体能力が強化されるが、それは魔法とは関係ない強化で、更に強化するのならば2割の常識は覆せない。

 魔法の強化系ならば魔法使い座がメジャーじゃが、あれは魔力量の増大であってやはり限界の超越ではない。

 未知の星を調べるには、この国には機材が足りないのじゃ」

「そうするとやはり……」

「うむ。今しばらくは秘密にするがよかろう。あるいは英雄座あたりでごまかすか、じゃの。わしも大学には秘密にしておくよ。かわいい教え子の子供じゃからの」

「ありがとうございます」


 ??? どういうこと?

 さっぱりわからないまま大人同士が話を終え、帰路についたところで、両親に聞いてみることにした。


「ねえお母さん。なんでかごってヒミツにしないといけないの?」

「それはね。《加護》は強い力を与えてくれるけど、多くの人から嫌われてしまうことがあるの。

 ウィル君も、横に熊が立ってたら怖いでしょう? 《加護》を持ってる人のことをよく知らない人は、《加護》を持っている、というだけで、怖がってしまうのよ」


 確かに、すぐそこに得体のしれない化け物がいる、と思えば怖いのかもしれない。多くの人に知られている《加護》ならばともかく、未知のものともなればなおさら。


「神殿が定める《神々の加護》なら、神殿が厚く遇してくれる、というけれど……」


 なんとなくわかる。選ばれた超人の末路。超人は人を超えた力を持ちながら、人の敵になれないがゆえに、都合のいい道具として使い捨てられる。それが、本当に世のため人のためであるのならまだ正義の味方といえたかもしれない。しかし、もしそれが権力者の保身と欲望のためだったとしたら……というか、そっちの方が可能性が高そうである。

 ……うん、人前ではこのことは絶対に秘密にしておこう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ