“潜入 2”
“で。あの、石に訊いたのって、今から考えれば進入経路だけですよね;これからどうするんです;”
“まず、空世の俺らに対する見解は調べるまでも無いわな;可能性のありそうなものを調べてつぶす……なんて考えていたら面倒だし本拠地近いし一気にここは攻めでいいんじゃないっすか?”
“けど、なんでこんな地味なところに本拠地があるんすかね”
云われてみれば、辺りにはそれなりの住宅が立ち並んでいる。しかも、区分けなどされているわけでもない、空世と普通世の入り混じる混合区のようだ。
“あの、立ち話もなんだし……あそこに見えるファミレスみたいなところでメシでも食いながらってのは……”
“そうだな、メシより何か呑みたいわ”
“うんうん、賛成”
“わ、私は、”
“一緒にいきましょう、KKさん”
Nさんの……面倒見の良さに引き込まれるように連れられて、KKさんは何も云わず歩き出した。あの、KKさんが……よく懐いている。なんて素晴らしい!!
“ど、どうすんのこれ;”
店に入れば、普通世でいう、ウェイトレスはどこにも居なかった。そのかわり、見かけがロボットのような……ま、ロボットか。入力画面があり、そこに打ち込みも出来るが、訊ねてきたのでJさんが応えた。
“うむ、6名”
___ご案内いたします___
ロボットらしきものに案内される。名前が……ついている;“シム”というそうだ。彼の位置から少し奥に、入り口が幾つかある。飲酒や喫煙などの利用によって違うようだった。簡易地図?によれば、見えない厨房はそれらの真ん中に位置されているようだ。ちなみに僕らは、オールラウンダーの8人席へ案内された。……べ、別に見えない+2人がいるわけじゃなく、空きがなかったからと思う……た、たぶんね;
注文は透けたタッチパネルのようなものがテーブル上にあり、確認終了すると客の邪魔にならない位置まで上昇する。テーブル中央に埋め込み式で緑色のボタンがあり、それを押すとまた降りてくる。
それが判ったのは、KKさんがいつもの如くプラスティックのカバーをわざわざ外し、それを押したからだったわけで;
“普通世には、ここまでないよね”
“Nさんは慣れているだろうけれど、俺はちょっと緊張するわ……こういう機械だらけっていうか”
“私も緊張していますよ、NTさん……”
“Oさんは……そうは見えないよな、体形とその顔の造りからさ”
時々、どぎついことも云うけれど、大らかで、それが顔ににじみ出ている感じのOさん。KKさんとは正反対とでも云おうか。……Oさんだけじゃなく、それなりに腹の出ている人が多いんだ、ここの勤務先は。
“で、だ。”
“……受けているみたいっすよ、”
“何が?”
“恩恵;”




