“潜入”
“こういうのってさ、本当は何年もかけてやるものなんじゃないの?”
僕らはなんとか敵の……おそらく敵、と思われるものたちの本拠地に潜り込むことに成功した。
何年もかけて~には、一理ある。こんな強引な潜り込みに成功するなんて、たぶん僕ら普通世からすれば奇跡に近い。
例の如く?、近くまでは御手洗くんによって運んで;もらえた。問題はそこから先のことだったのだが……
“ホント、奇跡だわ;”
方法はいたって簡単。僕らは御手洗くんの所有している、あの石に問い、浮かび上がった文字を受取れたままに実行へと移しただけなのだから。
“奇跡ではあるだろうけれど、従ったまでだしな……いやはやなんとも”
細かい経緯は後々明かすとして、今はこの状況を……なんて……。もったいぶるほどのことじゃない。
ちょっとばかり、僕らの識別ナンバーのようなものとその類いを弄っただけ。
何故それが成功したかって……たぶんきっと、そんなものなんだ、世の中;知らないのは、僕ら下層だけだったりするわけで。
僕らはありのままの姿で、普通に空世へ出入りできているわけです。元々、普通世から移住組がいるという事実も幸いしていたこともあり……見下されてはいるようだけれど、それだけなのも事実。
無論、アイツも一緒にいる。今は、いつもの如くマーキングに専念しているようだけれど;
“奇跡というか、ま、そうだけど、意外と脆いんじゃね?”
“こんな形で侵入者があること自体を想定していない、若しくは今までなかった事実から脆くなったんだろ”
“で、Jさん。ここからどうすんのさ?”
“そうだよ、話が違うじゃん。普通世の反乱つか内乱が元で今の事態になっていたんじゃないの?”
“内乱になったってことは、その元もとの原因は?誰に対してだ?まず、上が空世から恩恵を受けているか否かを確かめないと先にすすめないだろ”
“う~~~~ん、身から出た錆かもしれないし……なんとも”
“次元の違いが大きすぎでなんとも……;”
“だいたい俺らさ、BMで基本生活とかいうけどそれじゃただ生きているだけで色んな意味合いの余裕ある生活を愉しめないから働いているわけじゃん”
“NTさん、何故いまBMの話……”
“元々、BMって空世の提案って噂があるからさ”
“だとしても、問題ないよね?どういうこと?”
“この世のすべての流通を支配しているといわれている特別な層がいるわけさ”
“出た……NTさんの陰謀論”
“陰謀論ではないよ、これは逆説に考えいけば事実なんだって!!”
“まてまて、今はその話はおいておけって”
Jさんが話を止めに入る。思考を読まれないよう、どうにか弄ったらしいけれど……それも確かな保障のあることではない。あくまで実験段階での強攻手段なのだから……ま、まぁバレるのも時間の問題、というマスターの話だったりするわけで;
“ちょ、あとできかせてよその話”
“ここから無事、帰還できたら、、ですかね”




