番外編3-4 デートに行きます
あ~やってしまった・・・・・・
俺は、殿下の執務室で頭を抱えて落ち込んでいた。
そんな俺を見て、殿下が声をかけてくる。
「どうしたんだ。レオンが悩むなんて珍しいな。」
どうするべきか。
話すのは恥ずかしすぎる。
しかし、このままでは何も思いつかない。
ん~~~~~~~
仕方ない。
「あの~誰にも言わないでくれるか?」
俺は、話す前に確認する。
「まあ、内容によるけど、一番の親友だからな。」
親友だと思ってくれていることに嬉しくなり、俺は相談を始めた。
怪我を手当てしてくれた相手にまだ御礼ができてないこと。
他の男にも手当てをしてあげていて、デートに誘われていたこと。
そいつと行かせるのが嫌で思わずデートに誘ってしまったこと。
デートに行こうって言ってしまったのに後で気付いたこと。
相手が誰かはもちろん話さず、一気に相談した。
それを聞いた殿下はなぜか憐みの視線を送ってきた。
「それはもう”お礼”の話じゃないな。」
殿下に言われた途端、俺の思考が固まる。
「それは、レオン。デートに行くしかないだろう!男に二言はないんだろう。」
殿下は、きっぱりと言う。
そうなんだけど・・・
「俺、デートなんてしたことない。どうすればいいか分からない。」
また、頭を抱えてしまった。
「じゃ。やめて、その子が他の男とデートに行くのを黙って見ているのか?」
バタン!
「そんなの許せるわけないだろう!!」
俺は思わず椅子から立ち上がり、テーブルをたたいた。
そんな俺の様子を見て、殿下はふっと笑い、話を続けた。
「じゃ、決まりだな。」
そうして、殿下にデートの時のマナーや心構えを聞き、それを心に刻み込んだ。
同じ時、ミレーもシャルにこっそり相談していることに気づかない。
デート当日。
「やあ。ミレー。その服可愛いね。」
俺は、殿下に教わったまずは服装を誉めることを実践した。
ミレーは、視線を外したまま挨拶を返す。
「レオンハルト様も素敵です。あ。何でもありません。」
お互いになんか、会話がかみ合わないままデートがスタートする。
なんか、心臓がバクバクするんだけど。
これなら、訓練をしていた方が楽だな。
いや、デートしていた方が楽しいはずだ。
こんな距離で並んで歩くこと自体、初めてかもしれない。
ミレーが普段の侍女服と違って水色のワンピースを着ているのが新鮮で、見たいけど、目を向けるのが恥ずかしい。
ミレーも今日は口数が少なく、会話が弾まない。
どうしたらよいかわからず、とりあえず町並みを眺めることにした。
あ。あそこに武器屋がある。そういえば今度、新しい剣を見ようかと思っていたんだよな。
俺がちらちらと見ていたからか、ミレーが提案をしてくる。
「気になるなら、寄ってみましょうか?」
「いいのか。武器屋だぞ。デートでいくのは流石にな・・」
また、デートって言ってしまった。恥ずかしい。
それは、ミレーも同じだったようで、顔を赤くしている。
「レオンハルト様が行きたいところも見たいんです。行ってみましょう。」
ミレーは、そんな嬉しいことを言ってくれる。
そうして、二人で行くには場違いな武器屋を覗いたが、やはりミレーが気になって、武器に集中できない。
俺たちは武器屋をすぐに出てしまった。
「次はミレーの行きたい店に行こう!俺は、ミレーのことをもっと知りたい。」
俺は、そう提案した。
そういった途端、またミレーが赤くなって下を向いてしまった。
俺は、そんなミレーのことを守りたいと思った。
ミレーが意を決したように顔をあげる。
「じゃ、あそこのお店でお昼を買って一緒に食べませんか?」
「そうしよう。」
俺たちは、近くでおいしそうな肉の串焼きや焼きそば、オレンジの果汁ジュースなどを次々と買って、近くの広場に行く。
俺は、ミレーの服が汚れないように大きめのハンカチを敷く。
「ミレー。座って。」
そうして、二人で分け合いながらお昼をいただき始めた。
二人で食べるご飯はどれもおいしい。
俺は、次々と食べていった。
ミレーは小さな口でもごもごと一生懸命かんでいる。
なんか、小さい動物みたいでかわいいな。
「可愛い。」
思わず口から出てしまった。
しまった。
・・・・今、何を言った?
そのとたん、ミレーは真っ赤になって下を向いてしまう。
なんか、真っ赤になったミレーがより愛おしく感じてしまう。
「付いてますよ。」
ミレーが一言そう言って、私に近づいてきた。
一瞬動きを止めたが、私の口をハンカチでそっと拭いてくれた。
なんか、幸せだ。
俺は、今日のことずっと覚えているような気がした。
・・・その時、自分たちの周りに暗雲が立ち込めようとしていることに、俺はまだ気が付いていなかった。
やっぱり武器屋に行っちゃうんだ。
そんなレオンがいい。
明日はとうとう最終日。
2話まとめて投稿します。
みなさんともお別れの日が近づいてます。
さびしい・・・・




